四条隆徳

四条隆徳（1907年4月3日 - 1977年11月13日）は、日本の獣医師、政治家であり、華族の侯爵でもありました。彼は、陸軍将校であった四条隆愛と、徳川慶喜の十女である糸子の長男として生まれました。

生涯

1938年12月1日に父・隆愛の死去に伴い侯爵を襲爵し、貴族院侯爵議員に就任しました。貴族院では火曜会に所属し、1947年5月2日の貴族院廃止までその職を務めました。

学歴としては、1933年に東京帝国大学農学部獣医学科を卒業後、同大学院を修了しています。その後、1935年以降は東京帝国大学の嘱託、同大学農学部講師、獣医師試験委員などを歴任し、獣医学の発展に貢献しました。

業績

四条隆徳は、獣医学に関する著作も残しており、代表的なものとして以下の書籍があります。

『馬のために』（科学書院、1943年）
『家畜診療』（実業教科書、1948年）
『家畜臨床検査手技』（文永堂書店、1950年）

これらの著作は、当時の獣医学の知識や技術を伝える貴重な資料となっています。特に『家畜臨床検査手技』は、家畜の臨床検査に関する詳細な手技を解説しており、獣医師にとって実用的な内容であったと考えられます。

人物像

四条隆徳は、華族という出自を持ちながらも、獣医学の専門家として社会に貢献しました。貴族院議員としては、華族の代表として政治に関与する一方で、獣医師としては家畜の診療や研究に携わり、その知識と経験を社会に還元しました。彼の多様な活動は、当時の社会における華族の役割や、専門知識を持つ人物の社会貢献のあり方を示すものと言えるでしょう。

墓所

四条隆徳の墓所は、東京都府中市にある多磨霊園にあります（11区2種2側）。

参考資料

人事興信所編『人事興信録』第14版上、1943年。
霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。

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