四条隆愛

四条隆愛（しじょう たかちか）

四条隆愛は、明治13年（1880年）に生まれ、昭和13年（1938年）に没した華族であり、陸軍軍人でもありました。最終階級は陸軍騎兵少佐、爵位は侯爵。貴族院議員も務めました。彼の家系は、藤原魚名に遡る名門で、羽林家としての格式を有していました。

生涯

隆愛は、元老院議官で陸軍中将であった四条隆謌の息子として生まれました。明治31年（1898年）に父の死去に伴い家督を相続し、侯爵を襲爵。明治38年（1905年）には貴族院侯爵議員に就任し、政治の世界にも足を踏み入れました。

軍人としては、明治35年（1902年）に陸軍士官学校（14期）を卒業。翌年には陸軍騎兵少尉に任官され、陸軍騎兵実施学校（陸軍騎兵学校）教官や陸軍大学校馬術教官などを歴任しました。騎兵のエキスパートとして、軍の育成に貢献したのです。

また、宮内省御用掛や大日本皇道立教会会頭も務めるなど、幅広い分野で活躍しました。華族としての地位に加え、軍人、そして社会活動家として、多角的な顔を持っていたことがわかります。

親族

隆愛の妻は、なんと江戸幕府最後の征夷大将軍である徳川慶喜公爵の娘（十女）糸子でした。名門同士の婚姻であり、当時としても大きな話題を呼んだことでしょう。子息の隆徳も貴族院議員となり、東京帝国大学農学部で教鞭をとるなど、学問の世界でも活躍しました。

娘の富士子は、大河内輝信（侯爵浅野長之二男、子爵大河内輝耕養子）に嫁いでいます。この婚姻関係を通じて、浅野家、大河内家といった名家との繋がりも生まれました。

栄典

隆愛は、その功績により、従三位、帝都復興記念章、金杯一個などを授与されています。これらの栄典は、彼の社会的な貢献と地位を象徴するものと言えるでしょう。

四条隆愛は、華族、軍人、社会活動家として、明治から昭和にかけての激動の時代を生きた人物でした。彼の生涯は、日本の近代史を語る上で、欠かすことのできない重要な要素を含んでいます。

参考文献
『貴族院要覧（丙）』昭和21年12月増訂、貴族院事務局、1947年。
山崎正男編『陸軍士官学校』秋元書房、1969年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
* 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成 上巻』霞会館、1996年。

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