回復コンソール

回復コンソールとは

回復コンソールは、Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003に搭載された、コマンドラインベースのシステム復旧ツールです。Windowsが正常に起動しない場合に、システムの修復やファイルの操作を行うことができます。

概要

通常、Windowsが起動しなくなった場合は、セーフモードなどの起動オプションを利用してトラブルシューティングを試みます。しかし、深刻な問題が発生すると、これらの方法でもWindowsを起動できないことがあります。このような状況に対処するために、回復コンソールが提供されています。

マイクロソフトは、回復コンソールを高度な知識を持つユーザーのみが使用することを推奨しており、不適切な使用はシステムを完全に破壊する可能性があると警告しています。利用には管理者権限のあるアカウントのパスワードが必要です。

できること

回復コンソールは、WindowsセットアップCDやフロッピーディスクから起動できます。そのため、ハードディスクからWindowsが起動できない場合でも、ハードディスクの修復やCD-ROM/フロッピーディスクからのファイル操作が可能です。また、サービスを有効化/無効化することで、システムの復旧を試みることもできます。

使用するコマンドはコマンドプロンプトに類似しているため、MS-DOSの知識が求められます。Windows 2000では、コマンドラインに加えて、ブートローダー（NTLDR）やシステムファイルの自動修復機能も搭載されています。

光ディスクからの起動

障害が発生したWindowsと同じバージョンのWindowsセットアップ光ディスク（CD/DVD）からシステムを起動します。光ディスクからの起動には、コンピュータのSystem BIOS設定で光ディスクドライブからのブートが許可されている必要があります。

回復コンソールを起動し、コマンドプロンプトで `help` コマンドを入力すると、使用可能なコマンドの一覧と簡単な説明が表示されます。

ハードディスクへのインストール

ハードディスクに回復コンソールをインストールしておくことで、システム起動時に回復コンソールを選択できるようになります。このためには、Windowsセットアップディスクに含まれる `winnt32.exe` を `/cmdcons` オプション付きで実行する必要があります。

例えば、x86版のWindowsセットアップディスクがDドライブにある場合、コマンドプロンプトで `D:\i386\winnt32.exe /cmdcons` と入力します。

もしオペレーティングシステムの一覧すら表示されない場合は、光ディスクからの起動を試す必要があります。

注意事項

回復コンソールは、必ずしもWindowsシステムの復旧を保証するものではありません。マイクロソフトの推奨では、まずセーフモードなどの方法で復旧を試みるべきです。それらが不可能な場合に、オペレーティングシステムの再インストールを覚悟した上で、最後の手段として回復コンソールを検討すべきです。

重要なデータがある場合は、可能な限り事前にサルベージしておくことが推奨されます。

関連項目

Windows Recovery Environment: Windows Vista以降に搭載された、回復コンソールの後継となる自動回復環境。大幅な自動化が行われましたが、コマンド入力も可能です。

外部リンク

Windows XP 回復コンソールについて - マイクロソフト技術情報

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