回転木馬 (ミュージカル)

回転木馬（Carousel）

『回転木馬』は、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世によって1945年に創作されたブロードウェイ・ミュージカルです。この作品は、モルナール・フェレンツの劇『リリオム』を原作としており、日本でも多くの舞台や映画に翻案されています。

作品の概要

初演はトニー賞が創設される前の出来事であり、そのため受賞歴は込み入っていません。1993年のリバイバル上演では、1994年のトニー賞にて最優秀リバイバルミュージカル賞をはじめとする5つの賞を受賞しました。この作品は1969年に宝塚歌劇団の雪組によって日本に初めて紹介されると、その後も複数の上演が行われました。

例えば、1984年には星組による再演が宝塚バウホールで実施され、1995年には東宝製作でリバイバル版が帝国劇場で上演されました。この公演では男女のバレエダンサーが必要とされ、著名なダンサーたちが出演し、注目を浴びました。2009年にも東京の天王洲銀河劇場で上演され、メインキャストには笹本玲奈と浦井健治が選ばれました。

ミュージカルの名曲

劇中で披露される「人生ひとりではない」（You'll Never Walk Alone）は、1963年にイギリスのバンド、ジェリー&ザ・ペースメイカーズによってチャートの1位を獲得し、リヴァプールFCのサポーターに愛される歌として世界中に広まりました。この曲は日本でも特にFC東京のサポーターによく知られています。

ストーリー概要

物語は、メイン州の漁村を舞台に展開します。主人公のビリーは回転木馬の呼び込みをする男です。彼は偶然に訪れた女工ジュリーに出会い、恋に落ちます。二人は結婚するものの、ビリーはジュリーを客扱いしたために解雇され、生活の厳しさから彼女に手を上げることもある暴力的な面を見せるようになります。

やがてジュリーは妊娠し、父親になることを意識したビリーは焦りから罪を犯すことを決意しますが、失敗して逃亡中に事故死してしまいます。ビリーを失ったジュリーは悲しみに暮れ、年月が経つ中で、天界で過ごしていたビリーは、忘れかけた自分の子供に危機が迫っていることを知ります。

ビリーは星守の許可を得て、1日だけ地上に戻ることに成功します。彼の娘ルイーズは父親の過去に苦しんでおり、友人からの偏見に悩んでいました。ビリーは彼女を励まそうとしますが、自分の焦りから不適切な行動を取ってしまい、最後には後悔の念を抱く結果となります。しかし、ルイーズは不思議な感覚を抱きながら、彼女と母親ジュリーはその出来事に思いを寄せ、親子の絆を再確認します。物語は、ルイーズが友人と和解する姿を見届けたビリーが天界に戻るという形で締めくくられます。

映画化とその他の実演

1956年には映画化され、ヘンリー・キングが監督を務めました。ゴードン・マクレーとシャーリー・ジョーンズが主演し、多くのファンに愛されている作品です。以来、多くの演出家や俳優たちによって様々な形で再演され、観客に感動を与え続けています。

『回転木馬』は、愛と苦悩、そして人間の絆を描いた感動的なストーリーを基に、多彩な音楽を通じて、多くの人々に大きな影響を与えてきた名作です。その普遍的なテーマは、時代を越えて今も多くの人々に愛されております。

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