図越利一

図越 利一（ずこし りいち）とは

図越利一は、1913年9月17日に京都市下京区で生まれた日本のヤクザで、暴力団三代目会津小鉄会会長として知られています。彼の人生は、戦前から戦後にかけて波乱に満ちており、その中で数々の事件に関与しました。

幼少期と初期の経歴

図越は、父親の利三郎のもとに育ち、崇仁尋常小学校を卒業後、叔父の経営する食肉加工工場で働きました。そこでの6年間を通じて、不良たちの首領となる一面を見せ始めました。1935年には鴨川でのトラブルから相手を日本刀で刺殺し、自首。その結果、懲役4年の刑に服しました。

賭場の興隆と中島組入党

解放された1939年以降、図越は賭場に通い詰め、勢力を広げていきます。彼は京都の有力者中島源之助と交流を持ち、1941年10月には中島組に所属することとなりました。

七条署乱闘事件

戦後の1945年12月、闇市場での事件をきっかけに京都の治安が乱れ、図越は京都七条署を巡る大乱闘に関与します。1946年1月には彼の子分を動員して、出張所を襲撃し、多数の死者を出す事件を引き起こしました。この混乱の中で、図越は名を轟かせることになります。

会津小鉄会への継承

1960年4月、中島源之助の死去により、図越は二代目中島連合会会長に就任しました。その後、彼が会津小鉄の名跡を継承することが運命づけられました。それまで元の会津小鉄の流れを引き継ぎ、彼が継承することで、名跡は再び生き返りました。1975年には、図越は三代目会津小鉄会会長に就任し、極道界の重鎮としてその地位を確立します。

最晩年

平成13年7月7日、87歳で永眠するまでの間、彼の人生は数々の衝撃的な出来事で彩られていました。また、彼は田岡一雄との親交を持っており、1964年にはその関係を深めました。二人は相互に尊重し合う関係を築き、暴力団同士の意気投合が感じられました。

著作

彼の人生を描いた書籍としては、山平重樹による『残侠・会津小鉄図越利一の半生』や、実録作品が数多く出版されています。これにより、多くの人々が図越利一の波乱に満ちた人生を知ることができるのです。

図越利一は、戦中・戦後の混乱した日本において、いかに暴力団が社会に影響を与えたのかを象徴する存在と言えるでしょう。彼の生涯は、単なる犯罪者の物語ではなく、巨大な組織とその背後に隠された人間ドラマを映し出しています。

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