国会期成同盟

国会期成同盟：明治の議会政治実現に向けた先駆け

国会期成同盟は、明治時代に日本の議会政治実現を強く求めた政治結社です。自由民権運動の中核として、全国的な署名活動や請願運動を展開し、後の自由党結成に大きな影響を与えました。

前史：愛国社の結成と再興

国会期成同盟の歴史は、板垣退助が1875年（明治8年）に自由民権運動を全国展開するために結成した愛国社に遡ります。しかし、板垣が政府に復帰したことで愛国社は一時的に消滅しました。1878年（明治11年）に愛国社は再興され、国会開設請願に向けた活動が開始されました。翌年には、全国的な遊説活動と署名活動が決定され、組織的な運動へと発展していきました。

国会期成同盟の結成と請願運動

1880年（明治13年）3月、大阪で開かれた愛国社大会において、愛国社以外の政治結社代表も含む114名が参加し、国会開設請願を求める署名が約8万7000人分集まりました。この大会で、愛国社とは別の組織として国会期成同盟が発足することになり、大会自体も第1回国会期成同盟大会へと移行しました。規約では、常備委員の設置、国会開設請願書の提出、請願が却下された場合の再大会開催、国会開設まで同盟を解散しないことなどが定められました。河野広中、片岡健吉が請願代表として選出され、東京で請願書を提出しましたが、政府はこれを却下。さらに、集会条例を制定して自由民権運動を弾圧しました。しかし、この政府の強硬姿勢は、自由民権運動をさらに盛り上げることとなり、各地で建白書や請願書が提出されるようになりました。

第二回大会と自由党準備会

1880年（明治13年）11月に東京で開かれた第二回大会には、2府22県から64名の代表が参加し、約13万人の署名が集まりました。この大会では、運動で弾圧された者やその家族を扶助する「遭変者扶助法」が制定され、組織の名称を「大日本国会期成有志公会」に改称、本部を東京に置くこと、各政治結社が憲法私案を作成することなどが決定されました。また、河野広中、植木枝盛、松田正久らからは、政党結成の提案もなされました。大会後、嚶鳴社の沼間守一を中心に自由党(準備会)が結成され、政党設立の動きが加速しました。

第三回大会と自由党の結党

1881年（明治14年）に予定されていた第三回大会では、各団体が作成した憲法私案の審議が予定されていました。しかし、開拓使官有物払下げ事件を契機に明治十四年の政変が起こり、大隈重信が政府を追放されました。政府は批判をかわすために国会開設の詔を発し、1890年（明治23年）の国会開設を約束しました。これにより、自由民権運動家たちは憲法私案の審議を見送り、政党を設立すべきとの意見が強まりました。この流れの中で、地方出身者と都市出身者の間で意見の相違が生じ、沼間守一らは新党結成から離脱しましたが、10月には全国から78名の代表が集まり、自由党が結成されました。初代総理には板垣退助、副総理には中島信行が選ばれ、日本の議会政治に向けた第一歩が踏み出されました。

国会期成同盟の意義

国会期成同盟は、明治初期の日本の議会政治実現に向けて、国民の声を結集し、政府に大きな影響を与えた重要な組織です。その活動は、後の自由党結成につながり、日本の民主主義発展に大きく貢献しました。国会期成同盟の活動は、議会政治の実現だけでなく、国民の政治参加意識を高める上でも重要な役割を果たしました。

参考文献

宇田友猪; 和田三郎 編『自由党史』 上、五車楼、1910年。
河合敦『目からウロコの近現代史』 PHP研究所、2006年
色川大吉「自由民権 請願の波」『近代国家の出発より』

外部リンク

史料にみる日本の近代「国会期成同盟の請願」 国立国会図書館
* 『国会期成同盟』 - コトバンク

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