国会議事堂 (ハンガリー)

ハンガリー国会議事堂：ドナウ川岸に輝く壮麗なシンボル

ハンガリー国会議事堂は、首都ブダペストのドナウ川岸、コシュート・ラヨシュ広場に位置する、ハンガリーの立法府です。その壮大さは国内最大級であり、ヨーロッパにおいても屈指の規模を誇ります。

歴史

1867年、アウスグライヒによりオーストリア＝ハンガリー帝国が成立し、ハンガリー王国はオーストリア帝国と対等の地位を得ました。1873年にはブダ、オーブダ、ペシュトの３市が合併しブダペストが誕生、首都として定められました。1880年、ハンガリー王国政府は、国家の独立を象徴する新たな国会議事堂の建設を決定。建築コンペが開催され、シュテインドル・イムレの案が採用されました。彼の設計に基づき1885年に建設が開始され、ハンガリー建国1000年となる1896年には一部が完成。1904年に全体の完成を迎えました。しかし、シュテインドル自身は1902年にこの世を去り、完成を見届けることはできませんでした。

建設には約1000人の人々が従事し、4000万個ものレンガ、50万個の宝石、そして40kgもの金が使用されました。社会主義体制から体制転換を控えた1989年10月23日、この国会議事堂において、国号が「ハンガリー人民共和国」から「ハンガリー共和国」へと改称されることが宣言されました。

特徴

その外観は、イギリスのウェストミンスター宮殿と同様、ゴシック・リヴァイヴァル建築様式で、左右対称のファサードと中央にそびえ立つドームが特徴的です。建物は全長268m、幅123mにも及び、内部には10の中庭、13のエレベーター、27の門、29の階段室、そして691もの部屋が存在します。建物全体の高さは96mで、聖イシュトヴァーン大聖堂と並び、ブダペストで最も高い建造物の一つです。この96という数字は、1896年の建国1000年と、アールパード朝初代君主アールパードによる896年のカルパチア盆地征服を記念したものです。

建物の内外には、合計242体の彫刻が施されています。ファサード上部には、歴代のハンガリー統治者やトランシルヴァニアの統治者、著名な軍人たちの彫像が並びます。窓の上部には、王侯貴族の紋章が描かれています。正面玄関は東側に位置し、階段には2体のライオン像が鎮座しています。

ハンガリー王が代々受け継いできた聖イシュトヴァーンの王冠、宝珠、宝剣、王杓などの戴冠式用宝物は、この国会議事堂内で厳重に保管・展示されています。議会が開かれていない日には、専門ガイドによる見学ツアーが実施され、内部を見学することができます。

見学者は、豪華な装飾が施された大階段を上り、天井に描かれたフレスコ画を鑑賞し、壁龕にあるシュテインドル・イムレの胸像の前を通り過ぎます。内部には、アールパード、イシュトヴァーン1世、フニャディ・ヤーノシュの像も設置されています。国会議事堂の中でも特に有名なのが、16角形の議場です。かつては衆議院（下院）と貴族院（上院）がありましたが、現在は衆議院のみの一院制となっています。ロート・ミクシャによるステンドグラスやガラスモザイクも、見逃せない特徴の一つです。

この広大で精緻な建物は、常にどこかで補修工事が行われているほど、維持管理に力が注がれています。

ギャラリー

(ギャラリーに表示する画像は省略)

関連項目

コシュート・ラヨシュ広場
コシュート・ラヨシュ広場駅
国会 (ハンガリー)
国会議事堂 (曖昧さ回避)

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