国博士

国博士について

国博士（くにはかせ）は、大化の改新において設けられた重要な官職です。この役職は、特に僧旻（のりのし）と高向玄理（たかむくげんり）が任命されたことで知られています。彼らは、この官名が新たに設けられた時期の文化的、政治的意義を持つ職人として国の発展に貢献しました。国博士は、本来は臨時的な職であり、後の律令制下においても重要な役割を果たしました。

大化の改新における国博士

国博士の初見は、『日本書紀』に記されている通り、645年、孝徳天皇の治世となる日のことです。この時、皇極天皇の4年目にあたり、疎かになっていた官職の見直しが行われた結果、国博士が設けられました。国博士に任命された旻と高向は、その後、遣唐使として唐に渡り、先進的な制度や政策を日本に持ち帰る役割を担いました。彼らは、政治顧問として国政に深く関与し、新たな制度の構築に寄与しました。

しかし、国博士の役職は短命であり、649年に記録から姿を消します。このことから、国博士が必要とされたのは一時的なものであったことが伺えます。

律令制下の国博士

その後、律令制度が導入されると、各国に国博士が一名ずつ任命されることが定められました。この新たな役割において国博士は、国学の教育や課試を監督し、国内外の使節の接遇も行う重要な地位となりました。さらに、四度使と呼ばれる制度により、国博士は国の行政にも携わったと考えられています。

任命に関しては、選叙令が示すように、原則として現地で採用されることが求められましたが、該当者がいない場合には中央から派遣されることも許可されていました。これにより、国博士の任命は徐々に中央からの派遣に依存する傾向が見られました。

教育・待遇について

国博士は、国学の教官として学生に教育を施し、その業績に基づいて任命されていました。史生と呼ばれる教育機関の学生たちと同じ立場であり、国から選ばれる場合には徭役が免除される特典が与えられていました。また、国博士には職分田6段や公廨稲などの支給があり、一定の待遇を享受していたことがわかります。

具体的には、和銅元年の時点で「朝」からの補任者の選考に関する新しい方針が示され、さまざまな国を兼任可能とする変更がありました。これにより、博士一人が複数の国を持つことが実現しましたが、時を経て、国ごとに連携しながらの教育・指導が求められるようになったと考えられます。

結論

国博士は、古代日本の教育制度において重要な役割を果たし、外国との交流においてもその存在を強く示した職名です。現在の教育に繋がる基盤を作り上げた国博士の存在は、当時の政治的背景や文化的側面を理解する上で欠かせない要素です。

もう一度検索