国土防衛管理行政

国土防衛管理行政 (Territoriale Wehrverwaltung)

国土防衛管理行政は、ドイツ連邦共和国基本法第87条bに基づき、ドイツ連邦軍の内部機構として設立された文民組織です。軍備範囲と並び、連邦軍を支える重要な柱となっています。

設立の背景

第二次世界大戦におけるドイツ国防軍の兵站能力の低下を教訓に、連邦軍創設時から純粋な文民機構として発足しました。これにより、軍事組織とは異なる視点からの効率的な運営を目指しています。

任務と活動内容

国土防衛管理行政は、連邦国防技術調達庁の前段階として、連邦軍全体の軍需品の調達に責任を負っています。また、以下のような多岐にわたる任務を遂行しています。

軍需品の調達: 食品、衣類、その他必要な物資の調達を行います。衣類に関しては、民営化が進められています。
施設管理: 連邦軍業務センター（BwDLZ）を通じて、一般業務と軍施設の管理を民間企業の手法で行っています。ファシリティマネジメントもその一環です。
人員補充: 郡防衛補充事務所を通じて、連邦軍の人員補充を実施しています。
給与・手当の支給: 連邦軍構成員への給与や手当の管理・支給を行います。

これらの活動は、連邦軍が円滑に任務を遂行するための基盤となっています。

民営化とアウトソーシング

連邦政府全体の官庁会計の状況を背景に、国土防衛管理行政においても民営化とアウトソーシングが進められています。具体的には、以下の様な取り組みが行われています。

官民パートナーシップ: 連邦不動産公社（BImA）を基盤とした官民パートナーシップ・モデルの導入。
アウトソーシング: 開発・調達業務会社（g.e.b.b.）の設立などによる業務のアウトソーシング。

これらの取り組みにより、効率的な行政運営とコスト削減を目指しています。

体制

国土防衛管理行政は、連邦政府上級機関と下級機関、そして様々な出先機関によって構成されています。

連邦政府上級機関:

防衛技術・防衛管理連邦大学校（マンハイム）
連邦言語庁（ヒュルト）
公共行政連邦大学（マンハイム、連邦軍担当部門）
防衛管理行政連邦庁（ボン）

連邦政府下級機関:

防衛管区行政機関

出先機関:

連邦軍業務センター（BwDLZ）
国外連邦軍管理行政事務所
郡防衛補充事務所
連邦軍職業訓練学校
連邦軍糧食事務所（オルデンブルク）
* 連邦軍管理行政学校（ドイツ連邦国防省の直接指導下）

これらの機関が連携し、国土防衛管理行政の任務を遂行しています。

国土防衛管理行政は、ドイツ連邦軍を後方から支える重要な組織であり、その活動は多岐にわたります。民営化やアウトソーシングを積極的に進めながら、効率的な行政運営を目指しています。

もう一度検索