国場幸一郎

国場幸一郎について

国場幸一郎（こくば こういちろう）は、1932年11月11日に沖縄県国頭村で生まれ、2019年4月11日に逝去した実業家です。國場組の代表取締役会長、国建、ムーンビーチ、ザ・テラスホテルズの社長、宜野座リゾート開発の社長など、多くの企業の経営に携わりました。また、沖縄観光コンベンションビューローの理事、沖縄建設業協会の会長、沖縄県日中友好協会の会長など、様々な団体の要職を歴任し、沖縄県の経済発展と国際交流に貢献しました。

生い立ちと学歴

国場幸一郎は、國場組の創業者である國場幸太郎を叔父に、同じく國場組の経営者であった國場幸吉を父に持ちます。また、自民党の衆議院議員である国場幸之助の伯父にあたります。沖縄戦の際には宮崎県へ疎開しましたが、終戦後、米軍統治下の沖縄に密航して帰郷しました。石川高等学校、沖縄工業高校建築科を経て九州大学教養学部に進学、その後、早稲田大学第一理工学部建築科、同大学院工学研究科で建築を学びました。

國場組での活躍

1958年4月、25歳の時に父と叔父の強い勧めで沖縄に帰郷し、國場組に入社しました。入社後すぐに、名護市辺野古の辺野古弾薬庫の「特殊倉庫施設工事」の現場副主任として配属されました。国場は当時を振り返り、「辺野古の施設は普通の弾薬庫ではなく、特殊兵器に関わるものだった」と述べています。また、キャンプ・ハンセンの建設工事も担当しましたが、米軍の現場管理者との対立により一時的に工事から外された経験も持っています。

株式会社国建の設立

1959年、西原製糖工場の建設を機に、翌1960年に株式会社国建を設立しました。この会社は、国場の建設事業における重要な足跡の一つとなりました。

受賞と晩年

2003年には、その功績が認められ黄綬褒章を受章しました。2019年4月11日、肝細胞癌のため86歳で亡くなりました。

死後の騒動

国場幸一郎の死後、妻が元沖縄県知事の仲井眞弘多氏を相手に民事訴訟を起こしたことが2020年11月13日に明らかになりました。妻の主張によれば、国場は1997年に仲井眞氏の夫人に計1億1500万円を貸し付け、仲井眞氏本人がその連帯保証人になっていました。しかし、仲井眞氏は債務の存在を否定し、さらに、国場が三度の選挙で協力したにもかかわらず、国場の入院中に見舞いに訪れたのはわずか2度であったとされています。このことから妻は仲井眞氏の「裏切り」行為として2019年6月に提訴に至りました。

国場幸一郎は、沖縄の戦後復興と経済発展に大きく貢献した人物であり、その生涯は多くの人々に影響を与えました。

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