国士舘大学サッカー部レイプ事件

国士舘大学サッカー部レイプ事件

2004年6月3日に発覚した国士舘大学サッカー部員によるレイプ事件は、社会に大きな衝撃を与えました。この事件は、一人の部員が少女を誘い込み、集団で性的暴行を加えたという、極めて悪質なものでした。

事件の概要

事件の発端は、サッカー部員の一人が町田駅前で知り合った16歳の女子高校生を、自身のアパートに連れ込んだことでした。その後、彼は他の部員に「性行為できる」という内容のメールを送信し、計14人の部員を集めました。少女は嫌がっていましたが、多数の大学生に囲まれたため抵抗できませんでした。結果として、15人の部員が少女に対し、集団で強姦するという行為に及びました。

同年12月1日、警視庁は主犯格の部員を児童福祉法違反の疑いで、残りの14人を東京都青少年の健全な育成に関する条例違反の疑いで逮捕しました。捜査の結果、主犯格の部員は約20人の部員にメールを送信していたことが判明しました。少女は5月末に町田駅前で声ををかけられた際、一度は断りましたが、失恋で自暴自棄になっていたため、6月2日に公園で会う約束をし、そこで性行為に至りました。その後、少女はアパートに連れ込まれ、集団での強姦が行われました。現場には、強姦に加担した部員の他に見物人もいたとされています。

関係者の処分

事件を受け、日本サッカー協会は2005年1月14日に理事会を開き、主犯格の部員を永久追放、他の14人の部員を無期限登録停止とする処分を発表しました。また、国士舘大学サッカー部は3月末まで部活動停止となり、2005年度の関東大学サッカーリーグ戦では、勝ち点7を減点されるという制裁を受けました。

さらに、サッカー部の元部長で全日本大学サッカー連盟理事長であった大澤英雄氏が辞任し、日本協会及び加盟団体における公的職務を無期限に禁じられました。サッカー部の監督であった細田三二氏も、監督職務を無期限停止となりました。

国士舘大学サッカー部は2005年3月31日まで無期限活動停止処分となり、日本フットボールリーグを退会しました。逮捕された15人の大学生は全員が国士舘大学を退学処分となりました。

裁判

2005年2月16日、東京地裁八王子支部で、サッカー部員のうち4人に対する裁判の初公判が開かれました。4人は起訴事実を全面的に認め、検察側はそれぞれに懲役1年を求刑しました。同日、4人に対して懲役1年、執行猶予3年の判決が言い渡されました。

2005年2月18日には、東京家裁八王子支部で主犯格の部員に対する裁判の初公判が開かれました。主犯格の部員も起訴事実を全面的に認め、検察側は「少女が自暴自棄になっているのを利用し、極めて卑劣」として懲役2年を求刑しました。同月25日、東京家裁八王子支部は「年相応の分別や、運動選手らしい健全さが感じられない」として、主犯格の部員に懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。一連の事件に関与した他のサッカー部員にも、順次有罪判決が言い渡されています。

この事件は、大学スポーツ界における倫理観の欠如や、集団心理の危険性を示す事例として、深く記憶されるべきでしょう。また、被害者の心の傷は計り知れず、事件の教訓を社会全体で共有し、二度とこのような悲劇が繰り返されないように努める必要があります。

関連項目

* 京都大学アメフト部レイプ事件

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