国府駅 (兵庫県)

国府駅：山陰本線沿いの歴史と自然に抱かれた無人駅

兵庫県豊岡市日高町に位置する国府駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）山陰本線沿線にある無人駅です。昭和23年10月13日、江原駅と豊岡駅間に新設され、当初は客貨取扱駅として開業しました。その後、昭和36年には貨物取扱が廃止され、昭和45年には荷物扱いも廃止、無人駅となりました。平成17年には豊岡市の市域変更に伴い、現在の所在地表示となりました。令和4年には組織改正により、近畿統括本部福知山管理部の管轄となりました。

駅舎と構造

国府駅は盛土上の高架駅で、相対式ホーム2面2線を有し、列車交換が可能です。駅舎や改札口はなく、階段を直接利用してホームにアクセスするシンプルな構造です。ホーム両側には待合室があり、ホーム間は線路下のトンネルで連絡しています。かつては1番のりば階段下の小屋に自動券売機が設置されていましたが、現在は撤去されています。ICOCAなどのICカード乗車券は利用できません。

1番のりばは上下本線、2番のりばは上下副本線として使用され、1線スルー方式を採用しています。そのため、通過列車や行違いを行わない停車列車は上下線とも1番のりばを通過します。反対方向からの通過列車と行違いを行う停車列車は2番のりばに停車します。停車列車同士の行違いの場合は、福知山方面行きが2番のりば、豊岡方面行きが1番のりばとなります。

利用状況と周辺環境

平成28年度の1日平均乗車人員は約95人です。近年は利用者数の変動が見られますが、地元住民の生活の足として利用されています。

駅周辺には長楽寺、西光寺などの寺院、豊岡市立府中小学校、豊岡警察署上石駐在所、上石簡易郵便局などの公共施設があります。国道312号や兵庫県道250号藤井上石線も駅近くに位置し、交通の便は比較的良好です。

バス路線

駅近くには全但バスの上石バス停があり、特急バス（大阪・神戸～城崎温泉）、八鹿駅・但馬農高・とが山温泉方面、豊岡駅・豊岡病院・日和山方面への路線バスが利用可能です。国府駅は、車がない人でも、周辺地域へのアクセスが比較的容易な立地にあります。

歴史的変遷

国府駅の開業から現在までの歴史を振り返ると、日本の地方における鉄道の変遷が見て取れます。戦後復興期に開業し、貨物輸送も担っていた駅が、時代の変化とともに無人駅となり、利用者数も変遷している様子は、地方の鉄道の現状を象徴していると言えるでしょう。

まとめ

国府駅は、簡素な構造ながらも、地域住民にとって重要な交通手段となっています。歴史を刻みながら、現代も地域社会を支える存在として、静かにその役割を果たしていると言えるでしょう。周辺の自然環境や歴史的な建造物と調和しながら、これからも地域に寄り添った駅として存在し続けることが期待されます。将来的には、ICOCAなどのICカード乗車券への対応や、バリアフリー化の進展なども検討課題となるかもしれません。

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