国持一洋

国持一洋：競輪界の無冠の帝王、そして信仰への道

国持一洋（くにもち かずひろ、1951年10月12日 - ）は、静岡県を登録地とした元競輪選手である。類まれな追込力から、日本一の追込選手と称賛された彼の競輪人生は、華々しい活躍と、惜しくもつかめなかった頂点という、対照的な側面を併せ持っていた。

輝かしいアマチュア時代と競輪学校での活躍

東海大学第一高等学校時代には、国民体育大会[[自転車競技]]において3年連続優勝という輝かしい実績を残した。その才能は競輪学校でも開花し、第28期生として入学すると、80勝を挙げて在校競走成績第1位を獲得。圧倒的な強さを見せつけた。

プロとしてのキャリア：数々の入賞と『無冠の帝王』

1973年には全日本新人王戦（小倉競輪場）で優勝。その後、特別競輪（現在のGI）においては、卓越したマーク力（先頭選手をサポートする役割）で活躍し、8度の表彰台に上った。しかし、惜しくも優勝の栄冠を手にすることはなかった。その実力と結果のギャップから、『無冠の帝王』という異名で呼ばれることとなる。特に1984年までは、全ての特別競輪で2位を記録するという、皮肉にも類まれな記録を残した。高松宮杯競輪、オールスター競輪、競輪祭など、主要な特別競輪で2位を何度も経験している。日本選手権競輪でも3位入賞を複数回経験している。

一方、記念競輪（現在のGIII）では通算39回優勝を果たすなど、その実力は折り紙付きであった。1981年には、日本選手権競輪のゴールデンレーサー賞を受賞している。

信仰への転向

競輪選手としての華々しいキャリアを終えた後、国持は夫人の影響を受け、聖書研究に傾倒。エホバの証人として熱心に信仰活動を行い、伝道者としての人生を歩むこととなった。競輪選手としての栄光と、それに伴う葛藤、そして信仰への転向という、人生の大きな転換点を経た彼の物語は、多くの示唆を与えてくれるだろう。

弟との関係

彼の弟である国持晴彦も、競輪学校第41期生として競輪選手として活躍した。兄弟揃って競輪界で活躍したという点も、国持一洋の物語をより興味深いものとしている。

まとめ：伝説の追込選手、そして新たな人生

国持一洋は、競輪界において『無冠の帝王』と呼ばれた、類まれな追込選手であった。数々の特別競輪で上位入賞を果たしながらも、頂点に立つことはなかったが、その卓越した技術と、惜しくも届かなかった栄光は、競輪史に大きな足跡を残している。晩年には信仰に人生を捧げ、新たな人生を歩んだ彼の物語は、成功と挫折、そして信仰の力について、多くのことを私たちに教えてくれるだろう。彼の競輪選手としての記録はKEIRIN.JPで確認することができる。 また、彼の信仰生活については『ものみの塔』誌に掲載されている記事を参照できる。彼の生涯は、競輪選手としてだけでなく、人間として、どのように人生を生きるかを問いかける、深い物語であると言えるだろう。

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