国民会議 (スーダン)

国民会議（英語: National Congress）は、かつてスーダンに存在した政党であり、バシール政権時代の与党でした。その起源は、国際的な非難を浴びていた組織、民族イスラーム戦線 (NIF) に遡ります。バシール大統領とイスラム原理主義者ハサン・トラービーの権力闘争を背景に、軍政から民政への移行という形式を整えるため、1998年に政党として再編されました。

前身である民族イスラーム戦線（NIF）の時代から、イスラム主義に世俗主義的な要素を加味した政策を掲げていました。具体的には、アラブとアフリカの統合推進、「アラブ系」と非アラブ人の融和、包括的な国家開発の促進などを党の政策としていました。しかし、最も重要な目標は、国政へのシャリーア（イスラム法）導入をはじめとするスーダンのイスラーム化であり、これが世俗主義者や南部の非アラブ系住民（アニミストやキリスト教徒）の反発を招き、スーダン内戦の一因となりました。

「アラブ系中心主義」がダルフール紛争の要因の一つであるとされていますが、弾圧の対象には「アラブ系」のベジャ会議なども含まれていました。また、黒人勢力間でも分断工作を行い、内戦を複雑化させていたため、近年では急激なイスラーム化には慎重な姿勢を見せていました。

2019年、クーデターが発生し、バシール大統領が失脚。その後の暫定政権によって解党が命じられました。また、スーダンから分離独立した南スーダンの上院にあたる南スーダン全国州評議会にも議席を有していました。

国民会議の歴史は、スーダンの政治的、民族的、宗教的な複雑さを象徴しており、その政策と行動は、スーダンの内戦や紛争に大きな影響を与えたと言えるでしょう。党の解散後も、その影響はスーダンの社会に深く残っています。

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