国民行動党

国民行動党（PAN）

国民行動党（こくみんこうどうとう、スペイン語: Partido Acción Nacional、略称：PAN）は、メキシコの主要な政治政党の一つであり、特に右派・保守的な立場をとる政党です。この政党の主な支持層は、カトリックを信仰している中流市民層と実業家であり、ヨーロッパにおけるキリスト教民主主義の流れに似た特徴を持っています。

歴史的背景

国民行動党は1939年に設立されました。その背景には、当時の大統領ラサロ・カルデナスによる改革への反発がありました。当初は、長年にわたり政権を握っていた制度的革命党（PRI）の単なる衛星政党としての役割にとどまっていましたが、1980年代以降の経済的混乱がPANの支持を拡大させるきっかけとなります。

1982年にホセ・ロペス・ポルティーヨ大統領が銀行の国有化を決定した際、多くの実業家がPANに支持を寄せるようになりました。そして1980年代の経済危機が影響を及ぼし、多くの地方選挙でPANは勝利を収めました。特に1989年の選挙では、バハ・カリフォルニア州で初の州知事を誕生させる快挙を達成しました。

政権の変化

1990年代に入ると、PANは腐敗した政治を打破し、民主化の重要性を訴える姿勢に転じ、その結果支持者を急速に増やしました。2000年にはビセンテ・フォックスが大統領に就任し、PANは初めて政権を握ることとなります。この選挙はフォックスのカリスマ的なリーダーシップと、左派勢力との連携によって実現しました。しかし、2003年の下院選挙では再び苦戦し、PRIが復調を見せました。

2006年の大統領選挙では、PRIや民主革命党（PRD）の台頭に苦しみながらもフェリペ・カルデロンが勝利を収めましたが、2012年の選挙ではジョセフィーナ・バスケス・モタが投票を受けるもPRIのエンリケ・ペーニャ・ニエトに敗北し、政権を12年ぶりに奪われました。

現在の状況

現在、国民行動党は主にメキシコ北部に強い支持基盤を築いており、最近では2023年9月に、2024年の大統領選挙における野党の統一候補としてPANのソチル・ガルベス上院議員が選出されました。これにより、PANは新たな挑戦に向けて動き始めたと言えます。

国民行動党の今後の動向は、メキシコの政治シーンにおいて重要な要素となることでしょう。

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