国民議会 (ブータン)

ブータン国民議会

ブータン国民議会（ゾンカ語: རྒྱལ་ཡོངས་ཚོགས་འདུ།、Gyelyong Tshogdu）は、ブータン王国の議会（下院）であり、国家評議会とともに両院制の国会を構成しています。2008年に成立した新憲法によれば、国王、国家評議会、国民議会の3者により国会が構成されます。

概要

1953年に一院制議会として設置され、2008年に両院制へ移行しました。定数は47議席で、議員の任期は5年です。ただし、国民議会が解散された場合には、任期満了前に終了します。

議会の規則では、電子機器の使用、飲食、喫煙が禁止されています。また、2008年6月には、審議中に議員らがゲームをする恐れがあるとして、議場でのノートパソコンの持ち込みが禁止されました。

選挙

2008年の新憲法制定を前に、普通選挙へと移行しました。選挙制度は単純小選挙区制ですが、全政党参加の予備選を経て、上位2党による決選投票が行われます。

選挙資格: 18歳以上の国民（憲法第23条第2節）。ただし、王族と僧侶には選挙資格がありません。
被選挙資格: 25歳以上65歳以下の国民（憲法第23条第3節）。王族と僧侶には被選挙資格がありません。

選挙結果

2013年国民議会選挙

任期満了により実施されました。ブータン調和党（DPT）、国民民主党（PDP）、Bhutan Kuen-nyam Party (BKP)、Druk Chirwang Tshogpa (DCT)、Druk Nyamrup Tshogpa (DNT)の計5政党が参加を予定していましたが、選挙戦開始前の候補者申請に不備があったとして、BKPは選挙管理委員会から失格を言い渡されました。そのため、予備投票は残る4政党により争われました。

2013年5月31日に予備投票が実施され、DPTとPDPが決選投票に進出しました。決選投票を前にして、PDPはDNTの候補者を取り込むなどし、事実上の2位・3位連合を結成しました。7月13日の決選投票では、PDPが32選挙区、DPTが15選挙区で勝利し、PDPが政権を獲得しました。

7月19日には、PDP党首のツェリン・トブゲが第2代首相として選出されました。8月2日には、議長としてジグメ・ザンポ、副議長としてチミ・ドルジがそれぞれ選出されています（いずれもPDP）。国民議会内野党党首には、前農相のペマ・ギャムツォが就任しました。

2008年国民議会選挙

参加政党は、ブータン調和党（DPT）と国民民主党（PDP）の2党のみであったため、予備選挙は行われませんでした。

3月24日時点ではDPTが44議席、PDPが3議席でしたが、1選挙区において集計ミスが判明し、27日に結果が変更されました。この結果に対してPDPは、PDP優勢のはずの情勢が投票日直前に急転したのは納得がいかないとして、選挙委員会にDPTの選挙不正を調査するよう申し入れ、あわせて4月2日に高等裁判所に異議申し立てを行いましたが、7日に高等裁判所はこれを棄却しました。欧州連合（EU）や日本などが派遣している選挙監視団からは、不正があったとの報告はなされていません。

PDPの当選議員2人は、選挙過程・結果に抗議するため、いったんは3月28日に当選辞退を選挙委員会に申し入れましたが、4月3日にはこれを撤回し、野党として国会で活動することを改めて表明しました。

2008年4月21日、国民議会議員が就任宣誓を行い、議長にジグメ・ツルティム（Jigme Tshultim）、副議長にヤング・ツェリン・シェルパ（Yangkhu Tshering Sherpa）が選出されました（いずれもDPT）。また、PDPのツェリン・トブゲが、国民議会内野党党首となっています。

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