国立国会図書館法

国立国会図書館法

国立国会図書館法（昭和23年2月9日法律第5号）は、国立国会図書館の組織、任務、所掌事務について定める日本の法律です。1948年2月9日に公布されました。

概要と特色

国立国会図書館法は、国会法第130条に基づき、国立国会図書館を設置するために制定された法律です。前身となる国会図書館法（昭和22年法律第84号）を廃止し、新たに制定されました。

制定の経緯として、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)の要請でアメリカから招聘された図書館使節団が提示した法律素案が基になっています。この素案に国会での審議を経て修正が加えられ、成立しました。前文にある「真理がわれらを自由にするという確信に立って、憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」という一文は、日本側が追加したもので、当時の参議院議員であった羽仁五郎の提案によるものとされています。

アメリカ議会図書館の制度を参考に、国立国会図書館は単なる図書記録の保管所ではなく、国会の調査機関としての役割を担っています。国会のための議会図書館であると同時に、唯一の国立図書館としての機能を兼ね備えている点が大きな特徴です。

国会の図書館として、国会議員の職務遂行を支援することを目的とし（2条）、調査及び立法考査局が法案の分析・評価、立法に関する資料の提供、議案の起草などを行います（15条）。

一方で、文化財の蓄積と利用のため、納本制度により国内出版物を網羅的に収集し（24条）、定期的に全国書誌を出版します（7条）。国立図書館として国内の出版物を後世に伝える役割を担い、そのサービスは国会議員だけでなく国民一般にも提供されます（2条、21条）。

日本の国立国会図書館特有の制度として、行政各官庁や裁判所の図書館を国会図書館の分館としての性格を持つ支部図書館とする制度があります（20条）。

構成

前文
第1章 設立及び目的（第1条～第3条）
第2章 館長（第4条～第8条）
第3章 副館長並びにその他の職員及び雇傭人（第9条～第10条）
第4章 議院運営委員会及び国立国会図書館連絡調整委員会（第11条～第13条）
第5章 図書館の部局（第14条）
第6章 調査及び立法考査局（第15条～第16条）
第6章の2 関西館（第16条の2）
第7章 行政及び司法の各部門への奉仕（第17条～第20条）
第8章 一般公衆及び公立その他の図書館に対する奉仕（第21条～第22条）
第9章 収集資料（第23条）
第10章 国、地方公共団体、独立行政法人等による出版物の納入（第24条～第24条の2）
第11章 その他の者による出版物の納入（第25条～第25条の2）
第11章の2 国、地方公共団体、独立行政法人等のインターネット資料の記録(第25条の3)
第11章の3 オンライン資料の記録 (第25条の4)
第12章 金銭の受入及び支出並びに予算（第26条～第28条）
附則

関連項目

国会法
図書館法
国立国会図書館建築委員会法
国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律
国立国会図書館法の一部を改正する法律案

外部リンク

国立国会図書館法 (PDF)
国立国会図書館法 - e-Gov法令検索
国立国会図書館建築委員会法 - e-Gov法令検索
国立国会図書館法の規定により行政各部門に置かれる支部図書館及びその職員に関する法律 - e-Gov法令検索

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