国立病院・国立療養所の一覧

国立病院・国立療養所の歴史と変遷



この文書では、日本の国立病院・国立療養所の歴史と変遷について、設立から現在までの経緯を詳細に解説します。各施設の設立背景、統合や移譲、廃止などの過程、そして現在の状況を分かりやすく説明することで、日本の医療史や地域医療の理解を深めることを目指します。

北海道



札幌地区: 札幌市には、かつて札幌陸軍病院を前身とする国立札幌病院が存在しました。国立病院再編計画において、北海道のがん診療の中核施設となりました。また、市立札幌療養所を起源とする国立療養所西札幌病院は、2002年に国立療養所小樽病院と統合され、2010年には札幌南病院と統合して国立病院機構北海道医療センターとなりました。高度総合医療施設、災害拠点病院、エイズ拠点病院としての役割を担っています。国立療養所札幌南病院は、傷痍軍人北海道第二療養所として創設され、西札幌病院との統合を経て、北海道医療センターの一部となりました。

その他の地域: 国立函館病院は、国立療養所北海道第一病院との統合を経て現在に至ります。国立療養所道北病院は、陸軍病院を起源とし、エイズ拠点病院にも指定されています。国立療養所帯広病院は、北海道庁立結核療養所を起源とし、十勝療養所との統合を経て現在に至ります。その他、小樽、七飯、名寄、登別、十勝、弟子屈、稚内、美幌に国立病院・療養所がありましたが、多くの施設は閉鎖され、他の病院に統合されたり、地方自治体に移譲されたりしています。

東北



青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県においても、多くの国立病院・療養所が設立・統合・廃止を繰り返してきました。これらの施設は、軍の施設を起源とするものや、結核療養所として設立されたものが多く、地域の医療ニーズの変化や医療政策の変遷に沿ってその役割を変えてきました。青森県では弘前陸軍病院を起源とする国立弘前病院が津軽地方の基幹医療を担い、岩手県では盛岡医療センター(旧国立療養所盛岡病院)がその役割を受け継いでいます。宮城県では、仙台陸軍病院を起源とする国立仙台病院が、WHO呼吸器ウイルス調査研究協力センターや東北ブロックエイズ拠点病院として重要な役割を果たしました。秋田県では、国立療養所道川病院が再編計画において存続した全国でも珍しい例です。福島県では、多くの施設が県に移譲され、県立病院となりました。

関東



茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県では、多くの国立病院・療養所が陸軍や海軍の病院を前身として設立されました。これらの施設は、戦後、国立病院として再編され、地域医療の中核を担ってきました。東京都には、国立国際医療研究センターなどの重要な医療施設があります。多くの施設が再編や統合を経て、国立病院機構傘下に入るか、地方自治体に移譲されています。神奈川県では、国立横浜病院が国立横浜東病院と統合し、統合後の施設は聖隷福祉事業団に譲渡されました。

中部



新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県は、それぞれの地域特性や歴史的背景を反映した国立病院・療養所の設立と変遷をたどってきました。岐阜県では、岐阜衛戍病院を前身とする国立岐阜病院が、その後岐阜県立岐阜病院となり、現在は岐阜県総合医療センターと改称しています。静岡県では、国立熱海病院が、国際医療福祉大学熱海病院となりました。愛知県では、国立療養所中部病院が、国立長寿医療研究センターに改組されました。

近畿



三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県においては、多くの国立病院・療養所が、軍の施設や結核療養所として設立されました。大阪府では、国立大阪病院が国立療養所千石荘病院と統合して国立病院大阪医療センターとなりました。兵庫県では、多くの施設が地方自治体や大学などに移譲されています。

中国



鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県では、国立病院・療養所の設立・統合・廃止、地方自治体への移譲などが行われました。多くの施設が、軍の施設を起源としており、地域の医療ニーズの変化に沿ってその役割を変化させてきました。広島県では、多くの施設が統合・再編され、現在も地域医療の中核を担う病院として機能しています。

四国



徳島県、香川県、愛媛県、高知県においても、国立病院・療養所は地域医療に貢献してきました。愛媛県では、国立病院四国がんセンターが四国のがん診療の中核施設として重要な役割を果たしています。

九州



福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県においては、国立病院・療養所の統合や再編が盛んに行われました。福岡県では、国立病院九州がんセンターや国立病院九州医療センターなどの大規模な医療施設が設置され、九州圏の高度な医療を提供しています。多くの施設が、軍の施設を起源としており、地域医療のニーズの変化に沿ってその役割を変化させてきました。

沖縄



沖縄県では、戦後の米軍統治下や復帰後の状況を反映した国立療養所の設立・運営が行われてきました。

まとめ



以上のとおり、日本の国立病院・国立療養所は、長い歴史の中で、設立・統合・廃止・移譲を繰り返しながら、地域の医療ニーズの変化や医療政策の変遷に沿ってその役割を変えてきました。この文書が、日本の医療史や地域医療の理解に役立つことを願っています。それぞれの施設の歴史を詳細に調査することで、さらに深い理解が得られるでしょう。

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