国立病院機構名古屋医療センター

概要

独立行政法人国立病院機構名古屋医療センターは、愛知県名古屋市中区三の丸に位置する、高度な医療を提供する総合病院です。この医療機関は、旧国立名古屋病院を前身とし、政策医療分野において重要な役割を担っています。特に、血液・造血器疾患の高度専門医療施設としての機能に加え、がん、免疫異常、循環器病、精神疾患、成育医療、内分泌・代謝疾患、感覚器疾患、骨・運動器疾患、エイズといった幅広い分野で専門的な医療を提供しています。さらに、災害医療、神経・筋疾患、呼吸器疾患、腎疾患、肝疾患にも対応しており、地域における高度総合医療施設としての地位を確立しています。

また、当センターは東海北陸グループ事務所の所在地でもあります。

沿革

その歴史は古く、1871年に名古屋藩の兵学校が廃止された後、東京[[鎮台]]第3分営が設置されたことに始まります。1873年には名古屋鎮台が設立され、その中に衛生部が編成されました。これが名古屋地区における最初の国営医療機関の誕生とされています。1878年には、名古屋城正門前の尾張藩家老志水邸跡に国営の名古屋鎮台病院が創設され、その後、衛戍病院、陸軍病院として機能しました。この病院の建物の一部は、現在、愛知県犬山市の博物館明治村に移築・保存されており、当時の面影を伝えています。

1937年には、岐阜県下呂町に温泉療養所が開設され、これが戦後、国立名古屋病院下呂分院となり、1953年に岐阜県に移譲され、県立下呂病院（後の下呂温泉病院）として運営されました。1944年末には、空襲の激化により、患者全員が下呂温泉療養所に疎開しました。1945年3月には、東練兵場分院が名古屋大[[空襲]]で大半を焼失しましたが、本院は終戦まで空襲を免れました。

1945年12月、陸軍省から厚生省に移管され、国立名古屋病院として発足しました。初代病院長は杉野耕平氏が務めました。当時、旧名古屋陸軍病院本院は占領軍に接収されていたため、下呂分院で診療が開始されました。その後、1946年2月には、返還された名古屋本院および東練兵場分院の一部で診療が再開されました。2代院長（心得）山本直一、3代院長勝沼精蔵、4代院長伊藤吉孝と続き、病院の体制が整えられていきました。

1953年には東練兵場跡で病院の起工式が行われ、1955年には外来棟が完成、1958年には東西両翼の病棟と中央棟が完成しました。1959年の伊勢湾台風災害時には、救護班を派遣し、多くの被災患者を収容しました。1965年には構内に地下鉄が開通し、交通の便も向上しました。

1979年には救命救急センターが開設され、1995年には愛知県エイズ治療拠点病院に指定されました。1996年には愛知県地域災害医療センターに、1997年には厚生省エイズ治療東海ブロック拠点病院に指定され、心臓血管センターも開設されました。同年には愛知県急性心筋梗塞システム病院にも指定されました。

1998年には臓器移植法に基づく脳死・臓器提供施設に、1999年には愛知県難病医療協力病院に指定され、2003年には地域がん診療拠点病院にも指定されました。そして2004年、国立病院の独立行政法人化に伴い、現在の国立病院機構名古屋医療センターに改称されました。

診療科

当センターは、多岐にわたる診療科を有しており、各分野で高度な専門医療を提供しています。

付属施設

以前は名古屋医療センター附属名古屋看護助産学校がありましたが、2020年3月31日に閉校しました。現在、名古屋学芸大学名城前医療キャンパスが2018年に開設されています。

交通アクセス

名古屋市営地下鉄名城線 名古屋城駅、または名古屋市営バス市役所停留所下車後、徒歩約1分と非常にアクセスしやすい場所に位置しています。また、名鉄瀬戸線 東大手駅からも徒歩約5分です。名古屋市役所や愛知県庁からもすぐ近くにあります。

参考文献

当センターの歴史を詳しく知るための参考文献として、『国立名古屋病院二十年史』（1965年）、『国立名古屋病院三十周年記念誌』（1975年）、『国立名古屋病院四十年誌』（1986年）があります。

外部リンク

詳しい情報については、以下のリンク先をご参照ください。

独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター
名古屋学芸大学
* 博物館明治村歴史的建造物

もう一度検索