国立療養所多磨全生園

国立療養所多磨全生園

国立療養所多磨全生園（こくりつりょうようじょ たまぜんしょうえん）は、東京都東村山市に位置するハンセン病患者のための療養施設です。この施設は、日本国内の国立ハンセン病療養所の一つであり、厚生労働省の監督下にあります。多磨全生園は、ただの療養所ではなく、ハンセン病と闘った人々の歴史とその後の人権問題にも深い関わりを持つ重要な場所です。

この場所には、著名な作家である北条民雄が1934年から亡くなる1937年までの間入所しており、彼の作品『いのちの初夜』は全生園での体験を基に書かれたとも言われています。彼の物語は、ハンセン病患者の苦悩や社会からの隔離に関する深い理解をもたらし、読み手に強い印象を与えています。

現在でも多磨全生園では、過去に「無癩県運動」の影響で収容された元ハンセン病患者に対する看護や介助が行われており、彼らの生活を支援しています。また、園内には看護学校（進学コース・2年制）や「花さき保育園」と呼ばれる保育施設も設けられており、地域社会に貢献しています。花さき保育園は社会福祉法人「土の根会」が運営し、地域の子どもたちに安心して通えます。

隣接する施設としては、国立ハンセン病資料館や国立感染症研究所ハンセン病研究センターがあり、これらはハンセン病に関する歴史的資料を収集し展示する役割を担っています。国立ハンセン病資料館は、かつてのハンセン病患者に関する様々な資料を通じて、社会に対する啓発活動を行い、偏見や誤解を解消するための努力をしています。

沿革

• - 1909年9月28日: 連合府県立療養所が現在地に創設。
• - 1941年7月1日: 厚生省に移管され、国立療養所多磨全生園として新たに発足します。
• - 2001年1月6日: 省庁再編が行われ、厚生労働省の所管となります。
• - 2009年9月28日: 創立100周年を迎え、東村山市は「いのちとこころの人権の森」という宣言を行いました。
• - 2012年7月1日: 認可保育所「花さき保育園」が開所しました。

住所

国立療養所多磨全生園の正式な住所は、東京都東村山市青葉町4-1-1です。

関連項目

• - ハンセン病: 加熱の研究や患者に関するさまざまな情報が国立感染症研究所ハンセン病研究センターで行われています。
• - 無癩県運動: ハンセン病問題に関連する運動についての詳細。
• - らい予防法違憲国家賠償訴訟: 国立ハンセン病資料館が関連する訴訟や問題を扱っています。

国立療養所多磨全生園は、ハンセン病に関する歴史を伝えるとともに、過去の教訓を生かし、より良い社会を目指す重要な役割を果たしています。

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