国立療養所邑久光明園

国立療養所邑久光明園

国立療養所邑久光明園は、岡山県瀬戸内市邑久町虫明の長島にある国立ハンセン病療養所です。この施設は日本全国に存在する13箇所の国立ハンセン病療養所の一つであり、独自の歴史を持っています。

概要

邑久光明園の所在地は岡山県瀬戸内市邑久町虫明6253で、元々は大阪府にありました。1908年に公立癩療養所用地として土地が買収されたことが始まりで、1909年に「第三区府県立外島保養院」として開院されました。当時の初代院長は今田虎次郎氏です。

しかし、1934年に発生した室戸台風により、施設は甚大な被害を受け、病棟が全壊する事態となりました。多くの入院患者が亡くなり、患者たちは他の療養所に分散されることになりました。その後、1938年に岡山県に移転して光明園が復興され、「第三区府県立光明園」と改称されました。1941年には国立療養所へ移管され、名称も「国立癩療養所邑久光明園」と変わりました。

その後、戦後の1946年には「癩」の表記が外され、今の名称に改名されました。1988年には邑久長島大橋が完成し、長島と本州が直結されました。この橋は「人間回復の橋」と呼ばれ、患者たちの交流や移動が容易になる重要なインフラとなりました。

施設の紹介

邑久光明園には、様々な診療科と施設が整っています。主な診療科には内科、外科、整形外科、眼科、耳鼻咽喉科、歯科があり、化学療法科ではかつて行われていたハンセン病の治療に関連した後遺症の治療が行われています。また、居住棟には花の名や歴史的な地名が付けられた居室があり、入所者が快適に過ごせる環境が整えられています。

特に、こうみょう会館では入所者に対して様々なレクリエーション活動が提供され、社会的なつながりを持続させる場として利用されています。さらに、特別養護老人ホーム「せとの夢」や教会も敷地内にあり、患者とその家族が精神的にも支え合える場所となっています。

教会は元々大阪時代から存在しており、現在も地域の教会と連携しながら合同礼拝などが行われています。

交通アクセス

邑久光明園へは、邑久長島大橋の開通によってアクセスが大幅に向上しました。岡山ブルーライン虫明インターチェンジから車で約5分、またはJR岡山駅から赤穂線に乗り換えて邑久駅で下車し、タクシーやバスを利用することができます。バス便は邑久駅から「愛生園行き」が運行されており、「光明園」のバス停で下車できます。

まとめ

国立療養所邑久光明園は、単なる医療施設ではなく、地域との絆を育む重要な役割も果たしています。患者の生活支援、医療の提供、そして社会との繋がりを大切にし、歴史を重んじながらも前向きな活動を続けています。

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