国立療養所長島愛生園

国立療養所長島愛生園の概要

国立療養所長島愛生園（こくりつりょうようじょ ながしまあいせいえん）は、岡山県瀬戸内市邑久町虫明に所在する国立のハンセン病療養所です。この施設は、瀬戸内海に浮かぶ長島に立地しており、自然に囲まれた環境の中で医療サービスを提供しています。

沿革

長島愛生園の歴史は1930年に始まり、当初は「国立らい療養所」として設立されました。その後、1938年には隣接する邑久光明園が大阪市から移設され、地域の医療環境が整備されました。1946年には名称が「国立らい療養所長島愛生園」から現在の「国立療養所長島愛生園」に変更され、1952年には附属の准看護婦養成所が設立されました。

1955年には、岡山県立邑久高等学校の分校である「新良田教室」が開校し、地域の教育レベル向上に寄与しました。しかし、1976年9月12日には台風17号によって施設が被害を受ける事態が発生しました。1987年には新良田教室が閉校となり、その後の教育施設の運営にも影響を与えました。1996年にはらい予防法が廃止され、ハンセン病に対する社会的な認識の変化を象徴する出来事となりました。

施設について

長島愛生園は多岐にわたる医療サービスを提供し、その診療部門は多様な専門分野をカバーしています。主な診療科には薬剤科、放射線科、検査科、理学療法室、歯科技工室、義肢装具室があります。看護部門にも力を入れており、病棟や治療棟、不自由者棟など、多様な施設が設けられています。また、事務部門のほか、長島愛生園付属の看護学校も運営されており、看護師を育成するための教育プログラムが用意されています。

岡山県立邑久高等学校新良田教室も、学びの場として機能しており、普通科4年制の教育を提供しています。住所は岡山県瀬戸内市邑久町虫明6539で、交通手段としては東備バスや岡山ブルーラインが利用され、岡山県道224号瀬西大寺線も近くに通っています。

文化財の登録

2018年には、旧事務本館（現在の歴史館）、旧収容所、旧日出会館、旧洗濯場、園長宿舎が邑久光明園と共に国の登録有形文化財に認定されました。これにより、長島愛生園の歴史や文化的価値が認識されることとなりました。

関連項目

長島愛生園は忍耐と希望の象徴でもあり、関連するトピックとしては国立療養所邑久光明園、日本のハンセン病問題、無癩県運動、らい予防法の違憲国家賠償訴訟などがあります。また、ハンセン病に関連した著名な人物として、小笠原登、小川正子、神谷美恵子（著書『生きがいについて』がある）、林文雄、光田健輔、宮崎松記などが挙げられます。

参考情報

長島愛生園に関する詳細な情報は、公式ウェブサイトや自治会のページで確認することができます。また、資料として「隔離の歴史、焼き付けて　長島愛生園９０年」という動画も提供されています。このように、長島愛生園はその医療活動と歴史的背景がしっかりと関連づけられた重要な施設です。

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