国立近現代建築資料館

国立近現代建築資料館について

国立近現代建築資料館は、日本の近現代建築に関する貴重な資料を保存・活用するための施設です。文化庁が所管しており、建築図面や模型などの資料の劣化・散逸を防ぎ、次世代への継承を目指しています。

設立の背景

国際的に評価の高い建築物、例えば丹下健三氏設計の国立代々木競技場の図面が海外に所蔵されていたり、戦前の資料が戦火で失われたり、建物自体が老朽化や経済的な理由で解体されるなど、近現代建築に関する資料の保存が急務となっていました。こうした状況を受け、文化芸術の振興に関する基本的な方針に基づき、資料の収集・保管、調査研究、展示を目的として設立されました。

施設の概要

資料館は、旧岩崎邸庭園に隣接する湯島地方合同庁舎の敷地内にあります。旧司法研修所の別館と新館を改修し、一体化。別館は資料室棟、新館は事務室棟として利用されています。建物は、岩崎邸への景観に配慮し、周囲に植樹を行うなど、庭園との連続性を持たせています。

収集・保存対象

明治時代から1990年代までに作成された図面を中心に、文化勲章、プリッカー賞などを受賞した日本人建築家の作品や、DOCOMOMO JAPAN選定の建築物、メタボリズムに参加した建築家の作品などを収集しています。開館から3年間で、緊急に保護が必要な約6万点の資料を収集・保管しました。

調査・研究活動

資料館では、資料の所在情報を把握し、情報管理方法を提案する調査事業も行っています。近現代建築資料の収集は、日本の近代化遺産の価値を補完し、ユネスコの世界遺産と博物館に関する指針にも沿うものです。

利用案内

• - 開館時間: 10:00～16:30
• - 入場料: 無料（ただし、土日祝は岩崎邸庭園からの入館となり、庭園観覧料400円が必要）
• - 休館日: 企画展示により異なる（常設展示はなし）
• - 展示スペースは撮影禁止
• - 最寄り駅: 東京メトロ千代田線湯島駅

名誉館長は建築家の安藤忠雄氏が務めています。

関連情報

近現代建築資料館は、日本の建築文化を未来に継承するための重要な拠点です。建築に関心のある方はもちろん、歴史や文化に興味のある方にも訪れていただきたい施設です。

• - 近代建築、現代建築
• - モダニズム建築、ポストモダン建築
• - 日本近代建築史

詳細については、国立近現代建築資料館の公式サイトをご覧ください。

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