国策研究会

公益財団法人国策研究会の歴史と役割

公益財団法人国策研究会は、日本の民間研究団体として、長い歴史を持つ組織です。1933年に発足した国策研究同志会を起源とし、1945年に一時休会状態となりましたが、1953年に再び活動を開始し、以降、日本の政策形成に深く関与してきました。

戦前・戦中の活動

国策研究同志会の結成は1933年10月で、大蔵公望や小野塚喜平次などの著名なメンバーが参加しました。1937年の二・二六事件を契機に戦時体制が強化され、国策研究会に改称されました。この時から「実践的研究団体」としての立場を強化し、多数の調査報告を作成しました。

特に、1938年以降は近衛内閣から小磯内閣に至るまで、数多くの関係者が閣僚として入閣していました。国策研究会は、電力管理法や国民健康保険法の成立過程に重要な役割を果たし、当時の軍国主義的な国家体制に寄与したとも評価されています。

さらに、1942年には高橋亀吉が常任理事に就任し、大東亜共栄圏のビジョンに基づく具体的な計画を推進しました。

戦後の再発足と影響力

1952年にサンフランシスコ講和条約が締結され、主権が回復された後、国策研究会は1953年に再発足。その後、政財界の要人が交流する場となり、さまざまな政策提言を行いました。1957年には財団法人として認可を受け、矢次一夫が主宰者として積極的に活動しました。

その後、国策研究会は韓国や台湾との外交交渉にも関与し、日華協力委員会の設立や日韓国交回復に貢献しました。また、佐藤内閣の下では核拡散防止条約や日中国交正常化に関する提言も行いました。

2013年には公益財団法人へと移行し、現在も活発な研究と政策提言活動を続けています。

機関誌『新国策』

国策研究会は、戦前から様々な機関誌を発行しており、戦後には『新政』という名称で刊行され、1956年以降は『新国策』という名前に改称して月刊で発行されています。これらの機関誌には、当時の政策や研究成果がまとめられており、研究団体としての重要な役割を果たしています。

他の国策研究会との混同

「国策研究会」という名称は、公益財団法人とは無関係に使われることもあります。例えば、松下政経塾では2010年に「国策研究会」なる研究グループを結成し、早稲田大学にも同名の学生サークルが存在します。

結論

公益財団法人国策研究会は、戦前からの歴史を持ち、現在でも日本の政治や経済に関与し続けています。その活動は、国内外の政策提言や研究を通じて進化し、多くの影響力を持つ団体となっています。これからも、日本の政策形成において重要な役割を果たすことでしょう。

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