小野塚喜平次

小野塚喜平次

小野塚喜平次（おのづか きへいじ、1871年2月10日 - 1944年11月27日）は、明治時代後期から昭和時代前期にかけて活躍した日本の政治学者です。彼は、日本における政治学の黎明期を築いた一人であり、東京帝国大学（現在の東京大学）の総長を務めたことでも知られています。

生涯

1871年、小野塚喜平次は、柏崎県古志郡長岡城下上田町（現在の新潟県長岡市上田町）に生まれました。長岡中学校在学中には、級友の身代わりとして校長排斥事件の責任を負い、中途退学を余儀なくされました。その後、上京し、共立学校を経て第一高等学校に入学。1895年に東京帝国大学法科大学政治学科を卒業し、大学院へと進みました。

1897年、文部省の命によりヨーロッパへ留学し、各国の政治制度や政治理論を研究しました。1901年に帰国すると、日本初の政治学講座の教授に就任し、後進の指導に当たりました。彼の講義は、吉野作造のような著名な政治学者にも大きな影響を与えたと言われています。1902年には、法学博士の学位を取得しました。

また、1903年には、当時の桂太郎総理大臣や小村壽太郎外務大臣に対し、対露強硬論を主張する意見書を提出した「東大七博士」の一人としても知られています。

その後も、小野塚喜平次は教育者として活躍し、1917年には帝国学士院会員に選出されました。1918年には法科大学長に就任し、1925年には貴族院議員（帝国学士院選出）に選ばれ、無所属倶楽部に所属しました。1928年には東京帝国大学総長に就任し、1934年に退職するまでその職を務めました。

小野塚喜平次の門下からは、吉野作造、南原繁、河合栄治郎、蠟山政道、矢部貞治など、多くの優れた政治学者や思想家が輩出されました。

業績

小野塚喜平次は、日本の政治学の基礎を築いた一人として、その功績は高く評価されています。彼は、西洋の政治学理論を積極的に導入し、日本の政治状況に応じた独自の政治学を構築しようと試みました。

著作

小野塚喜平次は、多くの著作も残しており、その中には、以下のようなものがあります。

『政治学大綱』 (1903年)
『欧洲現代立憲政況一班』(1908年)
『現代欧洲之憲政』(1913年)
『欧洲現代政治及学説論集』(1916年)
『国際聯盟協会聯合会議』(1920年)
『現代政治の諸研究』(1926年)
* 『政治学』(1928年)

これらの著作は、当時の日本の政治学研究に大きな影響を与えました。

記念論集

小野塚喜平次の功績を記念して、門下生である吉野作造によって編纂された『小野塚教授在職廿五年記念 政治学研究』も出版されています。

東大七博士

小野塚喜平次は、対露強硬論を唱えた東大七博士の一人としても知られており、他のメンバーには、戸水寛人、富井政章、高橋作衛、金井延、寺尾亨、中村進午がいました。

まとめ

小野塚喜平次は、日本の政治学の発展に大きく貢献した人物であり、彼の業績は今日においても高く評価されています。彼の思想と学問は、多くの人々に影響を与え続けています。

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