国鉄シキ180形貨車 (2代)

国鉄シキ180形貨車

国鉄シキ180形貨車は、1965年1月に日本国有[[鉄道]]（国鉄）浜松工場で1両のみ製造された、80トン積みの低床式大物車です。1957年に同じ「シキ180」という名称の47トン積み平床式大物車が製造されていますが、これとは全く異なる車両です。

概要

シキ180形は、それまで使用されていたシキ500形が大型で使いづらかった反省から、より小型で使い勝手の良い大物車を目指して設計されました。特に、低床面を長く確保することで、多様な貨物に対応できるように工夫されています。

全長は26,070mm、低床面の長さは6,000mm、低床面のレール面上高さは780mmです。車端側には二軸ボギー台車、車両中央側には三軸ボギー台車を備えた複式台車構造を採用しており、合計で4台車10軸の構成となっています。空気ブレーキはKD203形を搭載しています。最高速度は空車時、積車時ともに65km/hで、車体には黄帯が巻かれています。

この車両は、私有貨車を購入したシキ1000形を除けば、国鉄・JRが購入した最後の大物車です。その使い勝手の良さから、国鉄分割民営化の際には日本貨物[[鉄道]]（JR貨物）に承継されました。2017年時点では存在が確認されていますが、稼働率は低い状態です。

シキ180形は、その設計思想と構造から、大物車としての役割を十分に果たし、鉄道輸送の歴史に名を刻む車両と言えるでしょう。製造から半世紀以上が経過した現在でも、その存在は鉄道ファンや技術者にとって興味深いものです。

主な仕様

形式: シキ180形
製造年: 1965年
製造所: 国鉄浜松工場
最大積載量: 80トン
全長: 26,070 mm
低床面長: 6,000 mm
低床面レール面上高さ: 780 mm
台車: 複式台車（二軸ボギー台車+三軸ボギー台車）
軸数: 10軸
ブレーキ: KD203形空気ブレーキ
最高速度: 65 km/h（空車時・積車時）

特徴

低床面を長く確保し、様々な大型貨物に対応可能
複式台車構造により、安定した走行を実現
国鉄・JRが購入した最後の大物車

参考文献

吉岡心平『大物車のすべて 中』(初版) ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 92〉、2007年4月1日。ISBN 978-4-7770-5196-0。
貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』(初版) 日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。

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