国鉄シキ400形貨車

国鉄シキ400形貨車の概要

国鉄シキ400形貨車は、1959年4月24日に三菱重工業によって製造された、日本国内初の吊り掛け式大物車です。この貨車は、その特殊な構造と技術で注目されました。1両のみの製造でしたが、シキ400形にはB1とB2の2つのバリエーションが存在します。それぞれの仕様によって、積載能力や構造の違いがあります。

1. 構造と設計の概要

シキ400形は、従来のトラス構造ではなく、ガーダー構造を採用しています。この設計は、今後の日本の大型吊り掛け式貨車にも影響を与えました。具体的には、B1は240トン、B2は170トンの積載能力を持ち、空車時の全長はそれぞれ33,860mmと24,096mmになります。また、最大貨物長は8.5mおよび8mです。

さらに、空車自重はB1が107トン（うち回送用死重23トン）、B2が90トン（うち回送用死重42トン）です。

2. 台車の特徴

シキ400形は、4軸のボギー台車を装備しています。この台車はブニョー式と呼ばれ、柔軟な可動軸受を特徴としています。一般的な鉄道車両の車軸は車輪の外側に配置されるのに対し、シキ400形では車輪の内側に軸受が置かれています。この設計により、車輪が多数並ぶ独特の外観を持つこととなりました。

この構造は、カーブ通過時の横方向の圧力を軽減するために考案されたものですが、同時に軸焼けが多発する原因ともなりました。

3. 技術的変更と改造

B1梁装備時は、2つの4軸台車の間に枕枠を設置し、その上に荷受梁を載せる形になっています。合計で3つの台車（12軸）を片側に、そしてもう片側に1つの台車を合わせた構成で、全体で6台車・24軸の構成です。一方、B2梁の時には台車を1つ取り外し、荷受梁を台車上枠に直接載せる形で、全体で4台車・16軸に減少しました。

また、空気ブレーキは手動による積空切り替え式で、K弁とUC形シリンダーを使用していました。これに加えて、軸焼け対策として数度の改造が行われましたが、結果的にはその特殊な設計によって早期に淘汰される運命にありました。

4. 運用と廃車

シキ400形は当初、塚口駅を常備駅としていましたが、1972年には西浜信号場へと移動します。しかし、特殊構造のためなかなか運用が続かなかったため、シキ610形に置き換えられ、1976年9月24日に廃車となります。廃車前には一度塚口駅側線に移動し、その後長らく留置されてから解体されました。

このように、国鉄シキ400形貨車はその独特な設計と技術的詳細を持ちながら、短い運命を辿った貨車でした。日本の鉄道史において重要な一歩を示す存在として、今日でもその意義が語られています。

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