国鉄シキ500形貨車

国鉄シキ500形貨車

国鉄シキ500形貨車は、1960年3月に日本国有[[鉄道]]（国鉄）浜松工場で1両のみ製造された、100トン積みの低床式大物車です。当時、国鉄が所有する貨車の中では最大の荷重を持つ車両でした。ただし、私有貨車を含めると、この車両が製造された時点ですでにこれを超える荷重を持つものが存在していました。

設計

シキ500形は、シキ100形をベースに設計されています。低床部の梁は溶接構造で組み立てられ、全長は27,200mm、低床部の長さは6,000mm、レール面からの高さは892mmとなっています。低床部を長くした結果、幅が狭くなり、レール面からの高さも高くなったことが、使い勝手を悪くした要因の一つとされています。

構造

台車は、板台枠式の三軸ボギー台車を4台、合計12軸備えています。ブレーキ装置はKD254形空気ブレーキが採用されました。この構造は、大重量の貨物を安全に輸送するために必要とされました。

運用とその後

シキ500形は、その特殊な構造から使い勝手が悪く、使用頻度は低い状態でした。国鉄分割民営化に伴い、日本貨物[[鉄道]]（JR貨物）に承継されましたが、1993年9月に廃車となり、その短い活躍を終えました。この車両は、その特異な構造と、国鉄最大の貨物積載量を誇ったという点で、鉄道史における重要な記録となっています。

主な特徴

製造年: 1960年3月
製造両数: 1両
最大積載量: 100トン
全長: 27,200 mm
低床部長さ: 6,000 mm
低床部レール面高さ: 892 mm
台車: 板台枠式三軸ボギー台車4台(12軸)
ブレーキ: KD254形空気ブレーキ

参考文献

鉄道公報
吉岡心平『大物車のすべて 中』(初版)ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 92〉、2007年4月1日。ISBN 978-4-7770-5196-0。
* 貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』(初版)日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。

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