国鉄シキ70形貨車

国鉄シキ70形貨車

国鉄シキ70形貨車は、1959年から1966年にかけて日本国有鉄道の浜松工場で製造された貨物車両で、特に30トンの積載能力を誇る低床式の大物車です。この貨車は、全体で16両が作られ、番号はシキ70からシキ77、さらにシキ270からシキ277に付けられました。しかし、シキ78とシキ79の番号はなぜか存在せず、欠番として残っています。

このシキ70形は、当時使用されていたシキ5形やシキ30形の老朽化に応じて、それらの代替車両として開発されたものです。その設計が示すように、シキ70形はシキ40形とほぼ同一の仕様であり、全長は12,300mm、車体長は11,500mmとなっています。しかし、シキ70形は台車の位置を外側にずらすことによって低床部の長さを300mm延長し、総延長を5,100mmとしています。この低床部のレール面上の高さは695mmで、シキ40形と同じ仕様です。

特徴的なのは、シキ70形が溶接技術を用いて組み立てられている点です。この技術革新により、従来の鋲接方式で作られていたシキ40形よりも自重が約3トン軽くなり、13.4トンとなりました。車両にはベッテンドルフ式の2軸ボギー台車TR41Cが2基装備されており、空気ブレーキはKD180形が導入されています。

シキ70形の貨車は、主に自動車の輸送に重宝されていましたが、1980年代に入るとそのニーズが薄れ、1978年度から1986年度にかけて順次廃車が進められました。廃車後も一部の車両は保存されており、シキ74は沼津で、シキ277は浪速に留置されていました。シキ74は2003年頃にシキ290やシキ370と共に解体され、シキ277は浪速貨物駅の廃止前に神戸市内に移され、トラ148523やトラ149195と共に2007年初頭まで放置されていました。

参考文献

• - 吉岡心平『大物車のすべて 上』（初版）ネコ・パブリッシング〈RM LIBRARY 91〉、2007年3月1日。ISBN 978-4-7770-5195-3。
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』（初版）日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。

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