国鉄タキ12200形貨車

国鉄タキ12200形貨車

国鉄タキ12200形貨車は、昔の日本国有鉄道（国鉄）とその後の日本貨物鉄道（JR貨物）において運用されていたタンク車の一種です。主にセメントの輸送を目的に設計され、1968年から1981年にかけて134両が富士重工業によって製造されました。この貨車は、軽量化と効率性を追求した特別な構造を特徴としています。

概要

タキ12200形は、40トンの積載量を持つ私有貨車で、製造された車両は「コタキ」という符号をつけられています。これは、全長が12メートル以下であることを示す特殊標記です。この貨車の最大の特徴は、従来の設計と異なり、軽量化を図るために台枠を省略したフレームレス構造を採用している点です。この設計により、タンク体が車両全体のフレームを構成し、荷物の積載が効率的に行えるようになっています。

タキ12200形は、圧力容器としての使用が可能であるため、開発段階では圧送荷役が考慮され、安全弁も設けられていました。しかし量産車はエアスライド式専用車として仕上げられました。この形式は、他の競合車両である川崎車輛のタキ1900形や日立製作所のタキ19000形とは異なる設計を持ち、優れた輸送能力を発揮しました。

所有者と製造年度

タキ12200形は、5社の企業によって所有されましたが、製造は富士重工業のみが行いました。具体的な年度別の製造数は以下の通りです：

• - 昭和43年度：1両（日立セメント）
• - 昭和44年度：1両（小野田セメント）
• - 昭和46年度：15両（チチブセメント、小野田セメント）
• - 昭和47年度：25両（チチブセメント、電気化学工業、小野田セメント）
• - 昭和48年度：60両（電気化学工業、小野田セメント、チチブセメント、大阪セメント）
• - 昭和49年度：27両（電気化学工業）
• - 昭和56年度：5両（日立セメント）

製季されたタキ12200形のセルフォーカスは、定期的な検査を経て長年にわたり国内のセメント運搬に貢献したことにあります。

仕様

この貨車の詳細な仕様は以下のとおりです:

• - 全長: 10,800 mm
• - 全幅: 2,536 mm
• - 全高: 3,650 mm
• - タンク実容積: 34.2 m³
• - 自重: 13.9 t
• - 換算両数: 積車5.5、空車1.4

台車に関しては、製造時期ごとに異なるタイプが使用されており、具体的にはベッテンドルフ式のTR41Cからコイルばね式のTR213Cまで多様です。

脚注

1985年9月に、タキ12729からタキ12733の5両は廃車となり、秩父鉄道を経由して東武鉄道に移籍しましたが、1991年にJR貨物の車両として再び車籍編入されました。このようにタキ12200形貨車は、長い歴史を経て、貨物輸送の重要な役割を果たしてきました。

参考文献

• - 鉄道公報
• - 吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑（復刻増補）』
• - 『日本の貨車-技術発達史-』

今後もこのような歴史的な貨車に関する情報を後世に残していくことが重要です。

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