国鉄タキ6400形貨車

国鉄タキ6400形貨車の概要

国鉄タキ6400形貨車は、1957年から製造が開始されたアルミナ専用の35t積みタンク車です。この貨車は私有貨車として設計された後、日本国有鉄道（国鉄）に車籍が編入され、さらに1987年の国鉄分割民営化後には日本貨物鉄道（JR貨物）によってその車籍が引き継がれました。これに加えて、タキ6400形と同じくアルミナ専用であるタキ7400形やタキ10500形についてもこの項目で紹介します。

タキ6400形の設計と特徴

タキ6400形は、1959年から1969年にかけて58両が製造され、主に日立製作所や東洋工機、東急車輛により製造されました。また、1960年にはタキ7400形の17両がタキ6400形に編入されるという経緯もありました。この編入は、落成後に附番の誤りが判明したことによる変更でした。

タキ6400形の特筆すべき点は、その多様な製造ロットによって外観にバラつきが見られる点です。タンク体は普通鋼製で、荷役方式は長円形の大型取卸口を使用しており、真空吸引による荷降ろしが行われました。全長は12,200mm、全幅は2,686mm、全高は3,478mm、台車中心間距離は8,100mmで、実容積は50.0m³、自重は17.0t、最高運転速度は75km/hです。製造された貨車は、昭和電工の単独所有となり、主に新興駅で運用されていました。

1987年の国鉄分割民営化時には4両がJR貨物に引き継がれましたが、1995年に廃車が決定され、見事に形式が消滅しました。

タキ7400形の特徴

タキ7400形は、1959年から1960年にかけて12両が川崎車輛で製作されました。タキ6400形とは異なり、タンクの材質はアルミニウム合金で、これにより軽量化が図られていました。自重は若干重いものの、35tの積載を可能とする設計です。この形状は、次に製造されるタキ8400形の試作要素を含んでいます。

タキ7400形の製造コストが高かったため、本形式の後続はタキ6400形に戻ることになりました。所有者は日本軽金属で、全ての車両が清水港線の三保駅に配属されていましたが、1984年の廃線によって同年に廃車となりました。

タキ10500形の特徴

タキ10500形は、1968年に日立製作所で1両のみが製造された特殊な貨車です。40t積みのアルミナ専用車両で、耐蝕アルミニウム合金製のタンクが用いられています。そのため、タキ6400形よりも軽量であるにもかかわらず、同様のサイズで40tの積載が可能です。しかし、製造コストの高さから、このモデル以降は再びタキ6400形が導入されます。昭和電工により運用され、新興駅に常備されていました。

しかし、このタキ10500形も1987年の国鉄の分割民営化にあたって車籍がJR貨物に引き継がれ2030年には運用を終了し、形式も消滅しています。

まとめ

国鉄タキ6400形貨車は、その誕生以来、アルミナ専用の貨物輸送に従事し、日本鉄道史に名を刻む存在でした。製造中の改編や異なる材質を使用した各種の形態は、日本の貨物鉄道車両の多様性を示すものとなっています。

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