国鉄テラ1形貨車

国鉄テラ1形貨車

国鉄テラ1形貨車（こくてつテラ1がたかしゃ）は、1963年から1966年にかけて製造された、日本国有鉄道（国鉄）の鉄製有蓋車です。この車両は国鉄初の17トン積みを実現し、その独特のデザインと機能性で注目を集めました。

概要

テラ1形は、国鉄の協三工業および鉄道車輛工業によって製造され、合計180両が作られました。これらの車両は、前級の15トン積みテム300形を基に、新しい車両限界を取り入れて大型化された特徴を持っています。また、従来の重量を軽減するため、台枠や他の構造部品の軽量化が施され、自重は従来型よりも0.6トン軽い8.6トンとなっています。

デザインと構造

テラ1形貨車の構造は非常に考えられており、積荷の化学反応による発熱や漏水を防ぐため、床板、側板、屋根をすべて鋼板製にしています。側板のデザインには工夫が凝らされており、内側は平滑な仕上がりとなっており、側柱を外側に配置し、平鋼板を使用しています。荷役用扉は、幅1,700mmの片引き鋼製戸が中央に装備されており、また、補強用のリブが2条付いています。これにより、荷物の出し入れがスムーズに行えるよう配慮されています。

さらに、屋根のカーブは単一曲線で設計されており、サイドパネルとの接続部には折れ線が施されています。このようなデザインは機能性だけでなく、美しさも考慮されています。

専有配置

テラ1形貨車は生石灰の輸送用に特化され、盛岡鉄道管理局や高崎鉄道管理局、名古屋鉄道管理局などの主要な地点に配属されていました。これにより、特定の貨物配送において効率的に運用されていました。しかし、貨物輸送システムの変革に伴い、徐々に廃車が進み、1986年には形式が消滅しました。

現在の状況

現在、テラ1形貨車の中で唯一残されているのは、三重県いなべ市に所在する貨物鉄道博物館に保存されているテラ146です。この保存により、当時の技術やデザインの一端を後世に伝える役割を果たしています。

参考文献

• - 日本国有鉄道「100年の国鉄車両 2」1974年、交友社刊
• - 「国鉄貨車形式図集 I」1992年、鉄道史資料保存会刊 ISBN 4-88540-076-7
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編「日本の貨車-技術発達史-」2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊

このように、国鉄テラ1形貨車は日本の鉄道史において重要な役割を果たし、その技術的特長は今も評価されています。

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