国鉄ホキ3100形貨車

国鉄ホキ3100形貨車

国鉄ホキ3100形貨車は、1961年（昭和36年）から製造されたセメント専用の35トン積みホッパ車です。私有貨車として製造され、日本国有鉄道（国鉄）に車籍編入後、1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に伴い、日本貨物鉄道（JR貨物）に車籍が承継されました。

概要

ホキ3100形は、セメント輸送の需要に応えるため、1961年（昭和36年）から1965年（昭和40年）にかけて、東洋工機、日本車輌製造、新潟鐵工所、若松車輛の各社で計153両（ホキ3100 - ホキ3242、ホキ3261 - ホキ3270）が製造されました。

製造当初、1961年10月にはホキ4100形（2代）として3両（ホキ4100 - ホキ4102）が製造されました。ホキ4100形（2代）は増備が続けられ、1963年1月までに合計38両（ホキ4100 - ホキ4117、ホキ4128 - ホキ4147）となりました。

1962年10月には、秩父鉄道のホキ1200形10両（ホキ1201 - ホキ1210）の車籍が移管され、本形式に編入、ホキ4118 - ホキ4127となりました。

1963年7月には改番が行われ、ホキ4100形（2代）はホキ3100形（ホキ3100 - ホキ3147）に改められました。改番の方式は、現番号から1000を引くというものでした。この改番により、ホキ4100形（2代）という形式は消滅しました。

その後も製造は継続され、105両（ホキ3148 - ホキ3242、ホキ3261 - ホキ3270。ホキ3243 - ホキ3260は欠番）がホキ3100形として製造されました。

所有者は、小野田セメント、日立セメント、チチブセメント、東北開発の4社でした。その後、小野田セメント所有の3両（ホキ3100、ホキ3194、ホキ3264）と、チチブセメント所有の7両（ホキ3134 - ホキ3138、ホキ3140、ホキ3141）の計10両が清水工業へ名義変更されました。

構造

外観は、ホキ3500形（30トン積み）を横長にしたような形態をしていました。エアスライド式の有蓋ホッパ車であり、荷役方式は、ホッパ上部の積込口から積み込み、エアスライド式で下部から（レールの外側へ）排出する方式でした。

車体は、全長10,400mm - 11,700mm、全幅2,650mm、全高3,710mm。台車中心間距離は7,600mm、実容積は30.0m3 - 33.5m3、自重は11.8t - 17.2t。換算両数は積車5.0、空車1.8。台車は、12トン車軸を使用したベッテンドルフ台車のTR41Cが採用されていました。

終焉

1987年（昭和62年）4月の国鉄分割民営化時には、12両の車籍がJR貨物に継承されましたが、1995年度末には3両（ホキ3103 - ホキ3105）が現存するのみとなっていました。そして、1996年（平成8年）5月に残存していた3両が同時に廃車となり、形式消滅となりました。

年度別製造数

以下に、年度別の製造会社、両数、所有者（落成時の社名）、車番（製造当時の番号）を示します。

1961年（昭和36年）度 - 8両
東洋工機 3両 小野田セメント （ホキ4100 - ホキ4102→ホキ3100 - ホキ3102）
東洋工機 5両 日立セメント （ホキ4103 - ホキ4107→ホキ3103 - ホキ3107）
1962年（昭和37年）度 - 40両
東洋工機 10両 チチブセメント （ホキ4108 - ホキ4117→ホキ3108 - ホキ3117）
日本車輌製造 20両 チチブセメント （ホキ4128 - ホキ4147→ホキ3128 - ホキ3147）
日本車輌製造 10両 チチブセメント （ホキ4118 - ホキ4127、秩父鉄道からの車籍編入車ホキ1201 - ホキ1210→ホキ3118 - ホキ3127）
1963年（昭和38年）度 - 30両
東洋工機 10両 小野田セメント （ホキ3148 - ホキ3157）
東洋工機 10両 日立セメント （ホキ3158 - ホキ3167）
東洋工機 10両 チチブセメント （ホキ3168 - ホキ3177）
1964年（昭和39年）度 - 75両
東洋工機 29両 小野田セメント （ホキ3178 - ホキ3196、ホキ3261 - ホキ3270）
東洋工機 10両 東北開発 （ホキ3197 - ホキ3200、ホキ3227 - ホキ3232）
新潟鐵工所 20両 東北開発 （ホキ3201 - ホキ3220）
若松車輌 10両 東北開発 （ホキ3233 - ホキ3242）
東洋工機 6両 チチブセメント （ホキ3221 - ホキ3226）

参考文献

鉄道公報
吉岡心平『プロフェッサー吉岡の私有貨車図鑑』（ネコ・パブリッシング、1997年）ISBN 978-4-7770-0583-3
『日本の貨車-技術発達史-』（貨車技術発達史編纂委員会編著、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊、2008年）
吉岡心平『RM LIBRARY 141 有蓋ホッパ車のすべて（下）』（ネコ・パブリッシング、2011年）ISBN 978-4-7770-5307-0

関連項目

国鉄の車両形式一覧

もう一度検索