国鉄ワフ28000形貨車

国鉄ワフ28000形貨車の概要

国鉄ワフ28000形貨車は、1944年から1946年にかけて日本国有鉄道、及びその前身の運輸通信省が在籍していた有蓋緩急貨車です。本形式は、250両の車両が製造され、これらはワフ28000からワフ28159、さらにワフ28210からワフ28299までのナンバーを持っています。最終的には、番号ワフ28300まで製造されましたが、これは二車現存車の改番によるものです。

設計背景

本貨車は、8トンの積載能力を持つ二軸の有蓋緩急車であり、軽減された鋼材を使ったことが特徴です。ワフ25000形の鋼製車体から木製車体に転換された背景には、戦時中の資材節約がありました。このように、戦時設計としてはワム50000形と同様の特徴を持っています。車掌室の側面には窓が一つ、また片開きのドアが設けられており、前面には中央に窓があります。デザインにおいては、原設計に基づき、屋根上にトルペード型通風器が設置された形と、ガーランド型通風器を持つものが存在します。

特徴

本型式の車体は、貨物室の使用を重視した設計となっており、側板や妻板は鋼柱を外側に立てた状態になっています。貨物室には幅1,500mmの木製片引戸が片側に設けられ、動力装置は一次リンク式の軸ばね吊り受けを採用していました。この貨車の最高運転速度は65km/hで、車軸は12トンの長軸を使用しています。

詳細な寸法は、全長が7,850mm、全幅が2,640mm、全高が3,880mmで、貨物室の寸法は長さ5,000mm、幅2,300mm、高さ2,145mmに設定されています。床面積は11.5m²、容積は25.2m³に相当し、自重は8.5トンとなっています。貨物室側の車軸位置がオフセットされており、車掌室側のオーバーハングは1,635mm、貨物室側は1,215mmとなっています。

運用の終焉

この形式は、乗務する車掌が劣悪な執務環境であったため、早期に整理される運命にありました。一時は鋼体化の計画もありましたが、それは実現せず、1968年までに全車両が廃車となってしまいました。

譲渡される車両

1962年には、ワフ28054が江若鉄道に譲渡されており、これをワフ280形（ワフ280）として運用しました。

参考文献

この情報の詳細については、以下の文献を参考にしていただけると良いでしょう。貨車技術発達史編纂委員会による『日本の貨車―技術発達史―』（2008年、社団法人日本鉄道車輌工業会）、『国鉄貨車形式図集I』（1992年、鉄道史資料保存会）に加え、高間恒雄編の『全盛期の国鉄貨車1』（1998年、レイルロード）などがあります。これらの資料を基に、国鉄ワフ28000形貨車に関するより深い理解を深めていくことができるでしょう。

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