国鉄ワ22000形貨車

国鉄ワ22000形貨車について

概要

国鉄ワ22000形貨車は、日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省において使用された有蓋貨車です。この形式は経済的な背景により小型の貨物車両の需要が高まり、そのニーズに応じて1930年に初登場しました。

背景

1929年に登場したワム21000形は、15トンの輸送能力を持つ二軸の有蓋車でしたが、世界恐慌の影響により貨物輸送量が激減し、より小型の貨車が必要とされました。その結果、ワム21000形を基にし、10トン積みとしてワ22000形が製造されることになります。

製造と種類

ワ22000形は、1930年から1940年までに日本車輌製造や川崎車輛などで6,386両が製造されました。製造時期による形態上の違いから、3つのグループに分類されます。

グループ1（ワ22000 - ワ25002）

初期のグループは、1930年から1936年にかけて製造され、車体はワム21000形の幅を保持しつつ、長さと高さが縮小されています。側板は厚さ2.6 mmの鋼板製で、通風器が2つ設けられています。貨物室は便利な二重羽目構造で、側引き戸にはX字型の補強が施されています。

グループ2（ワ25003 - ワ27752）

このグループは、1936年から1938年にかけて製造され、台枠に新しい構造が取り入れられています。組み立ても溶接が多くなり、側板が薄くなるなどの改良が行われました。また、通風器が増え、貨物室の側引き戸はより強化されています。

グループ3（ワ27753 - ワ28385）

最後のグループは1939年から1940年に製造され、基本構造は変わらないものの、他の形式の影響を受けた改良が加えられています。特に外観上の変更が目立ちます。

変更と廃車

1950年代に入ると、更新修繕が実施され、屋根の強化や忍錠の取り付けが行われました。しかし、1968年の国鉄ダイヤ改正に伴い、貨物列車の速度向上を目的とした規制により、ワ22000形は不適格とされ、1965年から本格的な廃車が始まりました。最終的には1971年頃までにほとんどが廃止されました。

改造車両

ワ22000形は、改造により他の形式として再利用される事例もありました。例えば、1945年には無蓋車のト32000形に改造されたり、1952年から1955年にかけて陶器輸送用のポ100形が製造されるなど、多様な形態で運用されました。

譲渡と同形車

本形式の中には、戦時中に他の鉄道会社に編入されたものも含まれ、特に富山地方鉄道などが例としてあげられます。これらの車両も国有化され、一定の期間運用されました。

まとめ

国鉄ワ22000形貨車は、時代の需要に応えた重要な貨物輸送手段でした。多くの改造や譲渡を経て、その形態や運用令は今も鉄道ファンの間で語り継がれています。

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