国鉄1030形蒸気機関車

1030形蒸気機関車の概要

1030形は、日本の国鉄以前の鉄道省に所属したタンク式蒸気機関車です。この機関車は1898年にイギリスのエイボンサイド・エンジン社で製造され、その後中越鉄道に引き継がれ、国有化を経て様々な改造が施されました。製造番号1391を持つこの機関車は、0-6-0 (C) の車軸配置を有し、飽和式・2気筒単式で設計されました。以降、技術者や研究家によってその特性が再評価されることとなります。

機関車の改造および改番

初めての所有者である中越鉄道では、1030形はサドルタンク式からサイドタンク式へと改造されました。この改造に関する詳細な時期は明確ではありませんが、その構造にはサドルタンクを取り除き新たに角型サイドタンクが取り付けられたことが含まれます。また、砂箱の位置も変更され、より効率的な運転が可能となりました。

1935年に中越鉄道が国有鉄道に吸収される際、1030形は正式に国鉄に編入され、1030という番号が付与されました。その後、短期間で阿波電気軌道に譲渡され、同社の6形（1030）として活躍することとなります。阿波電気軌道は1933年に国有化後、1030の形式番号は別の機関車によって占有され、結果として変更されることとなりますが、これには特異な形式称号規程が適用された結果です。最終的に、1030形は1937年に廃車に至りました。

主要諸元

阿波鉄道の6形における1030形の主要諸元は次の通りです。これにより、機関車の設計や性能をより深く理解することができます。

• - 全長：7,061mm
• - 全高：3,081mm
• - 全幅：2,204mm
• - 軌間：1,067mm
• - 車軸配置：0-6-0 (C)
• - 動輪直径：932mm（元々は940mm）
• - 弁装置：スチーブンソン式
• - シリンダー（直径×行程）：337mm×460mm（元々330mm×457mm）
• - ボイラー圧力：12.4kg/cm²
• - 火格子面積：0.75m²
• - 全伝熱面積：49.3m²
• - 煙管蒸発伝熱面積：44.6m²
• - 火室蒸発伝熱面積：4.7m²
• - 小煙管（直径×長サ×数）：44.5mm×2,451mm×152本
• - 整備重量：19.4t
• - 動輪上重量（整備時）：19.4t
• - 動輪軸重（第1・第2動輪上）：6.45t
• - 水タンク容量：2.6m³
• - 燃料積載量：1.1t

機関車性能

1030形の性能の一端を示す指標には、シリンダ引張力が3,810kgであることが挙げられます。また、ブレーキ装置には手ブレーキと蒸気ブレーキが装備されており、運転の安全性が確保されています。

このように、1030形蒸気機関車は日本の鉄道史において重要な役割を担った機関車の一つであり、様々な改造とともに時代を超えて活躍しました。その特徴や技術革新は、今日の鉄道技術にも影響を与えたことでしょう。

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