国鉄1355形蒸気機関車

国鉄1355形蒸気機関車の概要

国鉄1355形蒸気機関車は、かつて日本国有鉄道の前身である運輸省に所属していたタンク式蒸気機関車であり、1924年と1926年に相模鉄道から2両ずつ、合計で4両が汽車製造によって製作されました。この機関車は、車軸配置が0-6-0で、飽和式の2気筒サイドタンク機関車という特徴を持ち、1944年に相模線の戦時買収に伴い国有化されました。

製造と仕様

製造された機関車の番号は、1924年製が768と769、1926年製が893と897で、相模鉄道では1から4の番号が付与されています。1926年製の機体は運転台側部の形状が大きく異なり、一見で識別が可能です。全体的な外観や性能は、同じく汽車製造によって作られた1120形（南武鉄道1）に類似していますが、1355形は若干の寸法の差異があります。

私鉄時代には、客貨両用として運用されていましたが、晩年には主に貨車の入れ替え作業に使用されていました。国有化後は仮番号の134から137が付けられ、1947年には1355形の形式に改番されました。1948年には、同種のC11形やC12形に進出され、次第に運用の場を失い、1948年1月には1355、1357、1358が、1949年度には残る1356が廃車となりました。

貸出と譲渡の経過

1355は1948年に小名浜臨港鉄道に貸し出され、翌年には正式に譲渡されてC306として1961年まで運用されました。1356は1949年4月に東野鉄道に譲渡され、そのままの番号で運用されましたが、使用頻度は低く、数年後に三井埠頭に譲渡されて5と改番。最終的には富士急ハイランドで保存されましたが、その後解体されてしまいました。

1357は、国有鉄道在籍中の1946年4月に銚子電気鉄道に短期間貸し出されていたことが知られています。一方、1358については流山鉄道への譲渡が決まっていましたが、キャンセルされ、その後解体されました。

主要スペック

この機関車の全長は8,064mm、全高は3,556mm、全幅は2,591mm、軌間は1,067mmです。動輪の直径は965mmで、ワルシャート式の弁装置を搭載しています。シリンダーのサイズは330×508mm、ボイラー圧力は11.3kg/cm²に設定されています。また、火格子面積は0.98m²、全伝熱面積は62.4m²で、煙管蒸発伝熱面積は58.2m²、火室蒸発伝熱面積は4.3m²となっています。

機関車の運転整備時の重量は30.48t、空車重量は23.12tです。動輪の上にかかる重さは同じく30.48tで、第3動軸上の軸重は10.46t。水タンクの容量は4.09m³、燃料の積載量は1.27tです。シリンダーの引張力は5,500kgを発揮し、ブレーキ装置には手ブレーキと蒸気ブレーキが装備されています。

結論

国鉄1355形蒸気機関車は、かつての日本の鉄道史において重要な役割を果たし、多くの鉄道愛好者にとって記憶に残る存在でした。その歴史や特徴は、今もなお多くの人に語り継がれています。

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