国鉄1745形蒸気機関車

1745形蒸気機関車

1745形は、かつて日本国有鉄道が運営していたタンク式蒸気機関車であり、その歴史や設計に関する詳細を探ります。この機関車は、中国鉄道の5形（9）を原型としていて、1944年に国有化されてから1745形（1745）と改番されました。その際の改番は書類上の変更であり、実際の機関車には変更が行われずに残りました。

機関車の移管と運用

1745形は下関での入換作業に利用されていましたが、1952年には川崎製鉄の千葉製鉄所に譲渡され、同社ではNUS.9としても知られています。この機関車は初めて1907年にイギリスのカー・ステュアートによって製造され、車軸配置は0-6-0(C)です。

設計と性能

1745形は「アルゼンチナ・クラス」の規格型機関車を1,067mmの軌間用に縮小したもので、特にそのずんぐりしたデザインが特徴です。この特異なスタイルは軸重が大きいため、中国鉄道では不評でしたが、川崎製鉄に移ってからはその堅牢さから高く評価されました。

主要なスペック

+ 全長: 8,718mm
+ 全高: 3,333mm
+ 全幅: 2,515mm
+ 軌間: 1,067mm
+ 車軸配置: 0-6-0(C)
+ 動輪直径: 1,067mm
+ 弁装置: スチーブンソン式基本型
+ シリンダー: 368mm×508mm
+ ボイラー圧力: 11.2kg/cm²
+ 火格子面積: 1.11m²
+ 全伝熱面積: 58.5m²
+ 煙管蒸発伝熱面積: 52.4m²
+ 火室蒸発伝熱面積: 6.1m²
+ 小煙管のサイズ: 45mm×2,837mm × 134本
+ 整備重量: 33.72t
+ 空車重量: 26.43t
+ 動輪上重量: 33.72t
+ 動輪軸重: 12.40t
+ 水タンク容量: 1.72m³
+ 燃料積載量: 3.64t
+ シリンダ引張力: 6,140kg
+ ブレーキ方式: 手ブレーキ、蒸気ブレーキ

まとめ

1745形は、日本の蒸気機関車においてユニークな位置を占めている存在でした。様々な背景や設計の中で培われた性能は、運用先での評価にもつながりました。特異なデザインや歴史的な背景は、日本国有鉄道の鉄道史の中で語り継がれるものとなっており、鉄道ファンにとっても興味深い存在であることは間違いありません。

参考文献

• - 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」 1956年 鉄道図書刊行会
• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成 1」 1968年 誠文堂新光社
• - 臼井茂信「機関車の系譜図 2」 1973年 交友社
• - 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 II」 1984年 プレス・アイゼンバーン

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