国鉄5200形蒸気機関車

5200形テンダ式蒸気機関車の概要

5200形は、日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に属したテンダ式蒸気機関車であり、明治時代に製造された歴史的な車両です。この機関車は1897年にアメリカのピッツバーグ社で製造され、京都鉄道に初めて導入されました。元々、京都鉄道は4-4-0(2B)という車軸配置のもと、混合や貨物列車の牽引を行うために2両を発注しましたが、経営上の問題からその運用は長く続きませんでした。

その後の歴史

1904年に山陽鉄道に譲渡され、ここでは26形と呼称されるようになりました。1906年、山陽鉄道が国有化されましたが、機関車はしばらくその時代の番号で運用されました。そして1909年、新しく制定された車両形式称号規程に基づき、5200形（5200, 5201）として改番されました。この時期に、5200形は日本の鉄道風景に大きな影響を与える存在となりました。

機関車の特徴

5200形は、アメリカの古典的なデザインを持つ機関車で、その外観にはストレートトップ型のボイラーが特徴として挙げられます。また、前方には風除けが設けられ、炭水車は2軸固定の4輪型で設計されています。これらの特徴は、当時の他の蒸気機関車と比較してもユニークな存在感を際立たせていました。

国有化後、この機関車は山陰本線、桜井線、和歌山線など、さまざまな路線で運用され、幅広い輸送業務に対応しました。特に混合列車や貨物列車の牽引に重宝されており、その力強さが評価されていました。

末期の運用

5200形は1922年に国有鉄道から除籍され、その後播州鉄道に譲渡されました。その際、番号も9、10に改称されました。しかし、両車両とも長くは続かず、9は1934年に廃車となったのに対し、10は1943年に戦時による買収で、再び国有鉄道籍に戻ることとなりました。最終的にこの機関車は1947年に廃車され、5200形の運命は幕を閉じました。

主なスペック

5200形の製造から廃車までの間に、さまざまな技術的な仕様が存在しました。全長は13,865mm、全高は3,642mm、全幅は2,337mmというサイズを持ち、軌間は1,067mmです。また、動輪直径は1,372mm、シリンダーは381mm×559mmのサイズとなっています。ボイラー圧力は9.8kg/cm²で、火格子面積は1.21m²、全伝熱面積は89.7m²に達します。これらの数値は、当時の蒸気機関車として高い性能を誇っていました。

参考文献

• - 臼井茂信「国鉄蒸気機関車小史」（1958年, 鉄道図書刊行会）
• - 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成」（1969年, 誠文堂新光社）
• - 臼井茂信「機関車の系譜図 2」（1972年, 交友社）
• - 金田茂裕「形式別 国鉄の蒸気機関車 III」（1978年, エリエイ出版部 プレス・アイゼンバーン）
• - 金田茂裕「日本蒸気機関車史 私設鉄道編 I」（1981年, エリエイ出版部 プレス・アイゼンバーン）

5200形テンダ式蒸気機関車は、日本の鉄道史において特異な役割を果たした価値ある遺産であり、現在でも鉄道ファンから愛されています。

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