国鉄5490形蒸気機関車

5490形蒸気機関車について

5490形は、日本国有鉄道の前身である鉄道院に所属した蒸気機関車です。この機関車は1882年にイギリス・ベイヤー・ピーコック社で製造され、2両が輸入されました。のちに5300形として知られるようになるこれらは、車軸配置が4-4-0 (2B)であり、タンク機関車として設計されました。1884年には、日本国内でテンダー機関車へ改造され、運用の幅が広がることになります。

構造と設計

5490形は、タンク機関車としての特徴を持ちながら、後にテンダー式に改造されました。4-4-0型車軸配置は、ヨーロッパではあまり一般的ではなかったものの、日本では採用されていました。日本に到着後、試運転を行ったところ、十分な水槽容量や制動力が不足しているとの判断が下され、神戸工場に送られたのです。この背景には、当時の東部の路線が軟弱な地盤であったため、大型機関車の使用が困難だったことがあります。そのため、西部への転用が検討され、その結果テンダー式機関車へと改造されることとなりました。

テンダー式への変更では、運転台の背後にあった炭庫や水槽が撤去され、新たに2軸式のテンダーが製造されました。また、スプラッシャー（泥よけ）は独特な形状で、運転台の真下に位置する第2動輪から第1動輪まで一体化されています。このスプラッシャーには砂箱も設置され、機関車の性能向上に寄与していました。動輪の直径は1,372mmで、弁装置はスチーブンソン式、安全弁はラムズボトム式が用いられています。

主要諸元

5490形の主要な特性は以下の通りです：

• - 全長: 14,008mm
• - 全高: 3,658mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 4-4-0 (2B)
• - 動輪直径: 1,372mm
• - 弁装置: スチーブンソン式
• - シリンダー（直径×行程）: 394mm × 559mm
• - ボイラー圧力: 9.1 kg/cm²
• - 火格子面積: 1.33 m²
• - 全伝熱面積: 84.4 m²
• - 運転整備重量: 32.9t
• - シリンダ引張力: 4,890kg

運転と経歴

5490形は最初、東部地区に配属され、27および29という番号が付けられました。その後、西部地区に移され、1893年に日本鉄道の分離を経て、S形（26および28）へ改称されました。1898年には鉄道作業局にてD3形とされて、しばらく奥羽線に転用されることがありました。鉄道国有法が施行された1909年には5490形として再分類され、北陸線近傍で使用されていたと推測されています。

5490は1918年に成田鉄道へ譲渡され、同社の10号機となりましたが、1921年には廃車とされました。一方で、5491は筑波鉄道に譲渡され、1937年まで活躍しました。この機関車は、筑波鉄道在籍時にスプラッシャーが改造されており、第1動輪と第2動輪の形状が異なる特異なものになっていました。

49形蒸気機関車は、日本の鉄道史において重要な位置を占めており、その設計や運用経歴は多くの研究者にとって魅力的なテーマとなっています。

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