国鉄5680形蒸気機関車

5680形蒸気機関車の概要

5680形は、かつて日本国有鉄道の成り立ちに寄与したテンダ式蒸気機関車であり、1895年に神戸工場で製造されたことがその歴史の始まりです。この機関車は、当初は鉄道作業局に所属し、車軸配置は4-4-0（2B）で、2気筒単式の飽和式機関車として設計されました。製造当時はAJ形と称され、後に番号D7形に改称されましたが、1909年には5680形に改番されました。

当機関車の設計には、イギリス出身の技術者リチャード・フランシス・トレビシックの指導が活かされ、各種の部品や材料は主にイギリスから輸入されました。これには、車軸やタイヤ、煙管などが含まれています。形状的には、前端から後端までまっすぐな歩み板と、下広がりの前板が特徴で、換気のためのジョイ式弁装置が採用されていました。

5680形は5130形に類似したサイズながら、シリンダーの直径やストローク、ボイラーの設計は5300形や5500形に近いものでした。先台車は、クッションを緩衝ゴムで補った特殊な設計を施されており、一般的なアダムズ式ではありませんでした。

当初、5680形は中央西線に配備されていましたが、大正中期に銚子に移され、総武線での運行に utilized されました。その後、仙台鉄道局へと移動し、1922年7月には全ての車両が廃車される結果となりました。

主要諸元

• - 全長: 14,227mm
• - 全高: 3,658mm
• - 全幅: 2,334mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 4-4-0(2B)
• - 動輪直径: 1,397mm
• - 弁装置: ジョイ式基本型
• - シリンダー（直径×行程）: 406mm×559mm
• - ボイラー圧力: 9.8kg/cm2
• - 火格子面積: 1.29m2
• - 全伝熱面積: 81.3m2
• - 煙管蒸発伝熱面積: 74.6m2
• - 火室蒸発伝熱面積: 6.7m2
• - ボイラー水容量: 2.8m3
• - 小煙管（直径×長さ×数）: 44.5mm×3,200mm×167本
• - 機関車運転整備重量: 31.70t
• - 機関車空車重量: 28.87t
• - 機関車動輪上重量（運転整備時）: 21.54t
• - 機関車動輪軸重（第1動輪上）: 11.18t
• - 炭水車重量（運転整備）: 21.44t
• - 炭水車重量（空車）: 12.29t
• - 水タンク容量: 7.75m3
• - 燃料積載量: 2.03t

機関車性能

• - シリンダ引張力: 5,490kg
• - ブレーキ装置: 手ブレーキ、真空ブレーキ

このように5680形は、日本の鉄道史において一時代の象徴であり、そのテクニカルな設計と製造過程は、国鉄の発展に重要な役割を果たしました。

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