国鉄C12形コンテナ

国鉄C12形コンテナ

国鉄C12形コンテナは、1967年から1969年の間に260両が製造された特殊な有蓋コンテナです。本コンテナの設計は、C10形の天井部をスライド開閉式に変更したもので、これにより貨物の積み付けや取り出しが便利になっています。

構造

このコンテナは片側に妻扉が設けられており、一方の側からの開閉が可能になっています。基本の外法寸法は、高さが2356mm、幅が2370mm、長さが3300mmとなっており、自重は1.7トンです。

内容積は12.9立方メートルで、最大積載量は5トンに達しています。外観は黄緑6号という色で塗装されており、独特の特徴を持っています。特に、天井がスライドする仕組みは当時としては革新的であり、これにより様々な貨物を効率よく扱うことができました。

活躍と現状

国鉄C12形コンテナは、その特殊な天井開閉機構を持つことから、他の型式と比較しても数少ない存在でした。そのため、後年まで温存され、一部のコンテナはJRロゴに変更されて現役で使用されていました。

1987年に国鉄が分割民営化された際には、36個が日本貨物鉄道（JR貨物）に引き継がれました。しかし、次々と登場した新型コンテナ（例えば、18C形や18D形など）によって、これらのC12形コンテナの使用用途も減少していきました。

最後に使用された1両は2006年度に廃止され、これをもってC12形コンテナは形式消滅となりました。こうした経緯もあり、C12形コンテナは鉄道貨物輸送の歴史の中で重要な役割を果たしたことを示しています。

参考文献

C12形コンテナに関する詳細な情報については、以下の文献が参照されています。
1. 『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』 - 貨車技術発達史編纂委員会（編著）
2. 『国鉄コンテナのすべて』 - 吉岡心平著

これらの資料は、C12形の歴史や技術的背景を理解する上で非常に有益です。また、JR貨物のコンテナ形式に関する記事も興味深い内容が掲載されているため、こちらも併せてご覧いただくことをおすすめします。

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