国鉄C36形コンテナ

国鉄C36形コンテナ

国鉄C36形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1986年から1987年にかけて製造した、鉄道輸送専用の有蓋コンテナです。このコンテナは、長さ12フィート（約3.66メートル）、積載量5トンを特徴としています。

構造について

C36形コンテナは、1984年に製造されたC35形コンテナの後継として開発されました。C35形では内部に合板が張られていなかったのに対し、C36形はその仕様を見直し、内部を合板で補強する設計が採用されています。これにより、コンテナの強度と耐久性が向上しました。製造は、富士重工業、東急車輛製造、及び各地の国鉄工場が担当し、合計で7,500個が生産されました。基本的な構造はC35形後期型と同様ですが、内装の合板によって実用性が増しています。

外部の寸法は、高さ2,438mm、幅2,438mm、長さ3,658mmであり、合板の追加により自重は1.4トンに達しています。内容積は17.1立方メートルで、最大の積載容量は5トンとなっています。このように、C36形は効率的な貨物運送を目的に設計されたコンテナです。

塗装は青22号「コンテナブルー」が採用されており、その特徴的な色合いは全国の鉄道網で目にする機会が多くありました。

現在の状況

国鉄が民営化される1987年4月において、C36形コンテナのほとんど、すなわち7,497個が新たに設立された日本貨物鉄道（JR貨物）に引き継がれ、引き続き使用されました。ここから数年は、JR貨物の運行網においても重要な役割を果たしていました。

しかし、1999年以降、新たなコンテナ形式である19D形、19F形、19G形などの導入が進むにつれ、C36形コンテナの運用は徐々に減少し、その結果、2010年までにこの形式は消滅することとなりました。

参考文献

• - 貨車技術発達史編纂委員会編著『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』社団法人日本鉄道車輌工業会、2008年。
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』下、ネコ・パブリッシング、2009年。

国鉄C36形コンテナは、日本の貨物輸送史において重要な役割を果たし、多くの鉄道貨物の輸送を支えました。その堅牢な構造と実用性は、日本の鉄道コンテナの進化を象徴するものの一つです。

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