国鉄C62形蒸気機関車

国鉄C62形蒸気機関車

国鉄C62形蒸気機関車は、日本の旅客用テンダー式蒸気機関車で、1948年から1949年にかけて49両が製造されました。この機関車は特に牽引力と耐久性に優れ、主に平坦な地形での輸送量が求められる東海道本線や山陽本線、呉線での特急・急行列車の牽引に使用されました。また、松本零士の漫画『銀河鉄道999』に登場する「999号」のモデルとしても知られています。

改造の背景

C62形は、第二次世界大戦後に日本国有鉄道が直面した輸送の逼迫状況に対応するために、余剰となったD52形蒸気機関車のボイラーを再利用し改造されたものです。加えて、既存のC57形およびC59形の設計が流用され、効率的な製造が実現されました。この改造プロセスは、戦時中に生産された機関車の中から選抜されたもので、特に信頼性を欠いた戦時型ボイラーが使用される一方、新たに製造されたボイラーに換装される機体も多くありました。

機構の特長

C62形は、全長21.48メートル、重さ145.2トンと非常に大きなサイズを誇り、動輪直径は日本国内最大の1,750ミリメートルです。従来のパシフィック形とは異なり、ハドソン形の軸配置を採用し、動軸の軸重を特甲線を超えないように設計されました。さらに、軽軸重化機構によって、一部の機体はさらに軸重を軽減する改造が施されています。

また、この機関車にはワルシャート式の弁装置が採用されており、動力逆転機が標準装備されていることも特筆すべき点です。これにより、運転の効率性が確保されています。

運転と運用

1948年から1949年にかけて製造されたC62形は、全国の機関区に新製配置されたうえで、主に各メーカーに近い機関区で運用されるようになりました。運行開始当初から、特に需要の高い急行・特急列車の牽引に多く使用されました。

独自の運転方法も取り入れられ、特に人力による炭の供給法が用いられた機体もあり、これにより不快な煙の発生を抑えるなどの工夫がなされました。このような背景のもと、C62形はその性能をフルに発揮し、列車の移動時間短縮に寄与しました。

運用の変遷と終焉

C62形は、当初は東海道本線で特急列車の牽引に使用され、後に電化が進んだことで多くの機体が軽軸重化改造を施された上で、北海道の函館本線などで運用されるようになりました。しかし、次第に電化が進むにつれて利用される機会は減少し、最終的には1970年に函館本線での運用が終了しました。

現在の保存状況

C62形は現在、数両が動態保存され、記念館や博物館で展示されています。特に、C62 2は動態保存されており、見学者にその姿を披露しています。また、C62 1は特に有名で、数々の改造や装飾が施され、特撮やイベントでも目にすることができます。

文化的影響

C62形は、単なる機関車以上の存在であり、映画や漫画に登場し、多くの人々に親しまれました。特に、松本零士の『銀河鉄道999』に関連する文化事象は、一世代を超えて親しまれる要因のひとつとなっています。これにより、C62形は今も多くの人々に愛され続けています。

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