国鉄D51形蒸気機関車498号機

D51 498 - 東日本の誇る動態保存蒸気機関車

D51 498は、東日本旅客鉄道（JR東日本）が動態保存している蒸気機関車で、国鉄時代に製造されたD51形の一両です。この機関車は、鉄道省の鷹取工場で1940年に落成し、岡山機関区に新たに配置されました。運用期間中は、複数の機関区を転々とするなど、長い歴史を経てきました。

運行と配置の歴史

D51 498は、1940年の落成から1969年まで新津に所属していた時期は特に注目すべきです。この間、復元されたC57 180やC57 1と同時に運行され、3機の名蒸気機関車が同じ地区で活躍していました。また、1972年には梅小路蒸気機関車館での動態保存が決定し、その後、山口線で保存運転を行っています。

保存と復元へ

1972年末に車籍抹消後、D51 498は静態保存されることとなりました。1987年にJR東日本は、「地域密着」をテーマにしたSL復元計画をスタートさせます。この計画で、関東地方に保存されていた静態保存機を調査し、動態復元することが決定されました。D51 498は、その状態が良く、ファンにも親しまれていることから復元が選ばれました。

1988年3月に後閑駅から復線されたD51 498は、その後、高崎運転所や大宮工場で復元工事を受け、11月には動態保存機として再登録されました。この時、可能な限り原型に近い状態に整備され、運転速度も制限されるなど、安全対策が講じられました。

復活後の運用

復元後の1988年12月23日、D51 498は上野 - 大宮間で運行される「オリエント急行'88号」の牽引機として復活をアピール。この時、特別塗装のテンダーを装備し、ファンの注目を集めました。その後も主に上越線の「SL奥利根号」や多くの臨時列車に使用され、全国各地での運行が続いています。

故障とメンテナンス

D51 498は、出張運転の頻度が高いため、時折故障も発生しています。1997年の舞台では動輪周りに深いダメージを負い、2008年には空焚きによる修理が必要となるなど、これまでに数回の大規模な修理を経ています。これにより、後に動態復元候補となる他の静態保存SLの調査が進められるきっかけとなりました。

昨今の運行状況

最近では、旧型客車を牽引しながら特別列車や観光イベントに接続して走行しています。特に、車籍が再登録された後は「JR東日本の顔」として位置付けられ、地域イベントなどで多くの人々に愛されています。さらに、特定の年には特製ナンバープレートや装饰が施されることもあり、節目の年を祝う意味でも重要な存在です。

まとめ

D51 498は、ただの蒸気機関車ではなく、日本の鉄道史において多くの物語を持つ存在です。これからも多くのイベントで運転され続け、多くの鉄道ファンにその魅力を伝えることでしょう。

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