国鉄DE15形ディーゼル機関車

国鉄DE15形ディーゼル機関車について

国鉄DE15形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道が設計・製造した中型の液体式除雪用機関車で、特にラッセル式として知られています。1961年に登場したDD15形と比べ、低規格線区に適するように開発された本形式は、1967年から1981年にかけて85両が製造されました。除雪時には、機関車の前後にラッセルヘッドを装着し、停車場での入換作業や本線での列車牽引にも使用できるよう設計されています。

製造と設計背景

除雪機関車の高性能化を求める中で、国鉄はDD20形をベースにラッセル装置を機関車に取り付けたDD21形を試作しましたが、使用における不便さから製造が1両にとどまりました。そこで、DE10形を基にしたDE15形が開発され、低規格線区での運用が可能な除雪用機関車として登場しました。

構造と機能

DE15形の基本構造はDE10形に類似していますが、ラッセルヘッドとの連結装置が追加され、運転室から操作できるようになっています。最初は片側にラッセルヘッドを取り付ける単頭式の設計でしたが、後に両端に装備できる両頭式に改良されました。ラッセルヘッドは状況に応じて単線形や複線形の形式があり、除雪作業の効率を高めるため、追加のリンクを取外し可能な設計にしています。

形態区分と仕様

DE15形は製造年代によって複数の仕様に区分されており、基本番台、1000番台、1500番台、2050番台、2500番台、2550番台があります。それぞれ異なる機関や装備があり、適用される条件が変動します。例えば、基本番台は1967年から1969年の間に製造され、DE10形のエンジンを搭載していました。他の番台では機関出力の変更がされ、暖房装置の有無や連結仕様が異なります。

運用と現状

国鉄分割民営化に伴い、ほとんどのDE15形は各鉄道会社に引き継がれました。JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本の各社ではそれぞれの運用実態があり、北海道では特に除雪作業に従事しています。経営効率の観点から、経費削減や簡易線対応の除雪用モーターカーに取って代わられる場面が増えており、稼働率は低下しています。

文末には、さまざまな色彩で塗装されるなど、地域密着の運用がされている点が挙げられます。近年では、JR北海道が新型ラッセル車の開発を進める中、第3セクター鉄道への譲渡や廃車も進行していることが観測されています。

このように、DE15形は日本の除雪機関車として特有の役割を持ち、長い歴史の中でさまざまな形態と機能を演じてきた重要な存在です。

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