国鉄EF65形電気機関車

EF65形電気機関車

EF65形電気機関車は、1965年に日本国有鉄道（国鉄）によって開発された直流用の電気機関車である。この機関車は、特に平坦な路線向けに設計され、高速走行性能と牽引力を兼ね備えた特徴を持つ。

概要

EF65形は、EF60形に続く形式で、国鉄の直流電気機関車としての標準モデルであった。1979年までに製造された308両は、川崎車輛、川崎重工業、東京芝浦電気など複数のメーカーで生産された。この機関車の開発は、当時の日本が経済成長を遂げ、増加する輸送需要に応えるためのものであった。特に、山陽本線の電化が進む中、重い列車を高速で長距離運行する機関車が求められた。

当時主流だったEF60形は、一部の性能には優れていたものの、牽引力の点で不足が見られた。そこで、EF65形はEF60形の3次車を基にして設計され、主に高速走行性能を強化するための歯車比の変更と、新しい制御装置の導入が行われた。

性能と特徴

EF65形は、直流電動機を6基搭載し、総出力は2,550 kWに達する。主な走行機器には、旧来の手動進段式抵抗制御器に代わり、CS25という自動進段式の制御器が採用され、操作性の向上が図られた。しかし、初期のモデルでは制御器にトラブルがあり、製造後すぐに改良が重ねられた。これにより、最終的にCS29という新しい制御器が定められ、さらに性能が安定した。

構造

機体は鉄製の箱型であり、運転整備重量は約96トン。このうち、内部には調整荷重が8.4トン組み込まれている。2軸ボギー台車を3台配置し、それぞれに主電動機を2台ずつ搭載した。駅での点検時にも内部機器を取り外しやすい構造となっていることが多く、効率的なメンテナンスが実現された。

また、走行機器の改良では、空転防止のための各種機構も取り入れられ、運転の安定性が重要視された。制御用の電動発電機や圧縮空気供給のための電動圧縮機も装備されており、高度な運用に対応できる仕様となっている。

変種と運用状況

EF65形には、主に貨物用に設計された0番台、旅客用に改造された500番台（P形）、高速貨物用の500番台（F形）、そして汎適用型の1000番台（PF形）の計4つの大きな派生バリエーションが存在する。

0番台は貨物列車牽引用に製造され、500番台P形は寝台特急の牽引に使用され、またF形は高速の貨物列車用に設計された。1000番台PF形はそれらの機能をうまく融合させたモデルであり、長年にわたって様々な運用に対応してきた。

運用においては、2006年の「出雲」廃止以降、EF65形の寝台特急での運用は終息を迎えたが、貨物列車には今なお多くの機体が現役稼働している。ただし、後継機であるEF210形への置き換えが進み、老朽化した車両から順次廃車が進行中である。現時点で主要な運用となるのは、JR貨物における貨物列車牽引であり、地方に根ざした高い信頼性を誇っている。

結論

EF65形電気機関車は、長年にわたり日本の鉄道輸送の基幹を担った重要な存在であり、多様な派生モデルを持つことで特定のニーズに応える柔軟性を発揮した。今後もその技術的遺産は、後進の技術者たちに受け継がれていくことであろう。

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