国鉄T50形コンテナ

国鉄T50形コンテナについて

国鉄T50形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1967年度に開発したタンクコンテナの一つで、特に鉱物油の輸送に適した設計がされています。タンクコンテナは、一般的に液体貨物の移送に使われる専用の貨車であり、その中でもT50形は非クレーン取り扱いという特性を持ちます。

概要

このコンテナは、1967年に東急車輛製造によって製作された2台と、その後1970年に追加で3台が製造されました。T50形の最大の特徴は、その楕円形のタンク体にあります。タンクは厚さ3mmのステンレス鋼製で、無塗装の状態で製造されています。これにより、耐久性が向上しながらも、コストを抑えることが可能でした。

荷役方式については、タンクの上部に設けられた液入管から液体を注入し、鏡板の下部にある液出管を用いて排出する設計となっています。この方式は、効率的かつ安全性にも配慮された特徴的なものです。

具体的な寸法と性能

T50形コンテナの具体的な寸法は、全長3,240mm、全幅2,300mm、全高1,900mmとなっています。また、積載可能な荷物の重量は4.2トン、自重は1.3トン、容積は4.0立方メートルです。さらに、後に一部の車両がクロロホルム専用に改造され、最大荷重が5.0トンに引き上げられた例もありました。これにより、さまざまな輸送ニーズに対応することが可能となりました。

廃止とその後

国鉄T50形コンテナは、1976年度には全数が廃止されたため、形式自体も消滅しています。このようなコンテナは、時代とともに車両技術の進化や貨物輸送のニーズの変化に対応していく中で、次第にその役目を終えていきました。

参考文献

このコンテナの詳細については、いくつかの資料が存在しています。たとえば、貨車技術発達史編纂委員会による『日本の貨車 技術発達史』や、吉岡心平による『国鉄コンテナのすべて』などが参考になります。これらの文献は、国鉄や貨物輸送に関する貴重な情報が収められており、T50形コンテナについての理解を深めるのに役立ちます。

結論

国鉄T50形コンテナは、その合理的な設計と機能性から、鉄道輸送における重要な役割を果たしました。廃止後も、その技術や構造は鉄道貨物輸送の歴史において一つの象徴として位置付けられています。

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