国際三人将棋

国際三人将棋：3人による戦略的頭脳戦

国際三人将棋は、日本で誕生した3人対戦のボードゲームであり、その独特のルールと複雑な戦略性で知られています。将棋をベースとしながらも、3人というプレイヤー数と、六角形盤面、特殊な駒の動き、そして同盟システムなど、日本将棋とは大きく異なる特徴を持っています。

盤面と駒

ゲームは、一辺7マスの正六角形（一部五角形）の盤面で行われます。マスの総数は127個で、3人のプレイヤーはそれぞれ盤面の辺の一部分を自陣として、8種類の駒（計54個）を配置します。盤面の中央には「楽園」と呼ばれる特殊なマスがあります。

駒の種類と動き

国際三人将棋には、それぞれ独自の動きを持つ8種類の駒が存在します。

輿論（よろん）/旭光（きょくこう）： 輿論は基本的には隣接6方向に1マスずつ移動できます。ただし、最初の移動時、同盟を組んでおらず、絶手（王手）を受けていない場合は、自陣内の空マスへ自由に移動できます。成ると旭光となり、12方向に何マスでも移動可能になります。さらに、旭光は「光殺」という特殊能力を持ち、他の駒の連絡なしに敵駒を取ることができます。
軍教（ぐんきょう）/竜化（りゅうか）： 軍教は前、横、後ろの頂点方向に何マスでも移動できます。成ると竜化となり、隣接6方向に何マスでも移動できます。
外交（がいこう）/魔叉（ましゃ）： 外交は頂点方向6マスに何マスでも移動できます。成ると魔叉となり、外交の動きに加え、隣接6マスにも1マスずつ移動できます。
金権（きんけん）： 前、横、前後の頂点方向に1マスずつ移動できます。不成駒です。
税関（ぜいかん）： 横、斜めの頂点方向に1マスずつ移動できます。不成駒です。
殖貿（しょくぼう）/宝（たから）： 殖貿は斜めの隣接マスと斜め前の頂点方向に1マスずつ移動できます。成ると宝となり、元の動きに加え、前後の頂点方向に何マスでも移動できるようになります。
宣電（せんでん）/化（か）： 宣電は隣接する前斜め方向に何マスでも移動できます。成ると化となり、隣接する前後の斜め方向に何マスでも移動できます。
尖占（せんせん）/弗（どる）： 尖占は隣接する前斜め方向に1マスずつ移動できます。成ると弗となり、金権と同じ動きになります。

駒の成りは、敵陣、楽園への進入、または敵陣や楽園からの退出時に可能で、成るかどうかはプレイヤーが自由に選択できます。ただし、行き所のない場所や同盟者の陣地内では必ず成らなければなりません。

ゲームの流れと勝利条件

3人のプレイヤーは先手、中手、後手の順に交代で駒を動かし、相手の輿論（または旭光）を詰める、もしくは自分の輿論（または旭光）を楽園に入れた方が勝ちとなります。途中で誰かの輿論（旭光）が詰まると、そのプレイヤーは敗退し、盤上から駒が除かれ、残りの2人でゲームが続けられます。楽園に輿論（旭光）が入った場合、そのプレイヤーが勝利します。ただし、同盟を組んでいる場合は、同盟者のいずれかの輿論が詰まっても負けとなります。楽園に進入しても、同盟を組んでいる場合は勝利条件とはなりません。

同盟システム

国際三人将棋には、同盟システムが存在します。2人のプレイヤーが同盟を組むことで、協力して残りの1人を攻撃することができます。同盟は宣言同盟と突発同盟の2種類があります。突発同盟は、2人が同時に残りの1人を攻撃した際に自動的に成立します。同盟を組むと、いくつかの制限を受けますが、同盟者間で協力して勝利を目指すことができます。

その他のルール

取った駒は持ち駒として使用できますが、最初に敗退したプレイヤーの駒は使用できません。
二尖占（二歩）は禁じ手ではありませんが、打ち尖占詰め（打ち歩詰め）は反則です。
絶手放置、行き所のない駒の移動なども禁じ手となります。
反則は、対戦終了前に指摘されなければ無効となります。
* 引き分けの場合は、各駒の点数を計算し、その合計点で勝敗を決めます。

国際三人将棋は、複雑なルールと戦略性を持つ奥深いゲームです。3人というプレイヤー数と、特殊な盤面、駒、同盟システムが、他の将棋ゲームとは一線を画す独特のゲーム体験を提供します。

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