国際児童年

1979年、ユネスコは国際児童年を宣言しました。この宣言は、当時の国連事務総長クルト・ワルトハイムによって1979年1月1日に署名され、1959年の児童の権利に関する宣言をさらに発展させ、世界中の子供たちが直面している栄養不良や教育機会の欠如といった問題に焦点を当て、その解決に向けた国際的な協力を促すことを目的としていました。この国際児童年の取り組みは、1989年の児童の権利に関する条約の成立に大きく貢献しました。

歴史

国際児童年を記念し、国連や加盟国では数多くのイベントが開催されました。1月9日には国連総会でユニセフ音楽コンサートが開かれたほか、アメリカのマサチューセッツ州ボストンでは、WBZ-TV 4などの放送局が連携し、ボストンコモンからのお祭り「キッズフェア」を放送しました。また、12月1日にはニューヨークの国連本部で、子供向けの国際的な漫画や短編映画を上映する映画祭が開催されました。カナダのアニメーター、ユージーン・フェドレンコが監督したカナダ国立映画委員会の作品『すべての子供たち』は、子供たちが家庭を持つ権利の重要性を訴え、国際児童年のテーマを象徴する作品として広く上映されました。この映画は、子供たちがそれぞれの興味に夢中になっている様子を描きつつ、家庭を持たない子供たちの存在を浮き彫りにし、その訴求力を高めるために、効果音はパントマイム劇団「Les Mimes Electriques」の声が使用されました。

日本での取り組み

日本では、国際児童年の集中記念行事として「世界と日本のこども展」が愛知青少年公園（現在の愛・地球博記念公園）で開催され、皇太子夫妻や大平正芳首相らが開会式に出席しました。この博覧会を記念して愛知国際児童年記念館が建設され、1981年7月4日に開館しました（2011年3月21日閉館）。また、この年を契機に国立の総合児童施設「国立総合児童センター・こどもの城」が企画され、1985年11月に東京都渋谷区に完成しました（2015年2月に閉館）。

国際児童年の協賛歌として、ゴダイゴの『ビューティフル・ネーム』が採用され、NHKのミニ番組『世界のこども』の挿入歌や『みんなのうた』でも使用されました。さらに、1978年から1979年1月にかけて開催された「宇宙科学博覧会」は、「国際児童年協賛宇宙科学博覧会」として、1979年3月24日から9月2日にかけて第二期が開催されました。愛知県岡崎市では、記念事業として文化施設兼児童館「太陽の城」と総合文化施設「岡崎市竜美丘会館」の2つの施設が建設されました。

関連事項

エリザベス・ボーディン
国際婦人年
国際青少年年
ペドフォビア
子どもの権利
英国における子どもの権利の歴史年表
米国における子どもの権利の歴史年表
イギリス子どもの権利同盟

外部リンク

International legal Standards for Children's Rights
Children's Rights Alliance England (CRAE)

もう一度検索